暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
序章 出会い
Story4 花時の殲滅団
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ンという澄んだ鈴の音が聞こえてきた。

「噂をすれば、来たみたいだな。」

その場にいた全員が、視線を黄色い揺り籠(イエロークレイドル)のギルドの入り口に移した。

「やっぱ仕事が早いね、皆。」

視線を移した先にいたのは、背中がすっぽり隠れてしまうほどの長い黒髪を、高い位置で銀色の小さな鈴の付いた赤いリボンでポニーテールに束ねている女性が立っていた。女性の右腰には柄が赤色で、鞘に桜の花弁が描かれた刀、左腰には柄が青紫色で、鞘に銀色の線が一筋入ってる刀が差してある。

「リンさん!」

『リン』と呼ばれた女性は駆け寄って来たサーニャを抱き締めた。

「リンさん、ギルドマスター残しておきました。」
「どうぞ派手に、()っちゃって下さい。」

ティールとレーラが冷ややかな目でグリフトをちらっと見ながら言った。

「もぉ、わざわざ残さなくていいのに。皆で()っちゃいなよ。」
「リン(ねえ)が倒さねェと意味ねェんだよ。ナツ達もいる事だし、レーラが言ったとおり、派手に()っちまえっ!」

ジーハスがポン!とリンの背中を押す。

「もぉ、仕方ないなぁ。」

困ったように一度笑うと、リンは右腰に差している赤い柄の刀を、音一つ立てずに桜の花弁が描かれた鞘から抜いた。銀色に輝く刀身がキラリと光った。

名刀(めいとう)――――――――――焔桜(ホムラザクラ)。」

リンが口を開いたのと同時に、名刀(めいとう)焔桜(ホムラザクラ)の銀色の刀身が紅蓮の(ホムラ)で包まれた。

「め・・名刀(めいとう)焔桜(ホムラザクラ)・・だと・・・!?」

グリフトの顔がどんどん青ざめていく。

「舞い散り、燃え尽きろ―――!」

リンは小さな声で呟くと、小さく地を蹴って駆け出した。リボンの鈴がチリンチリンと鳴り響く。

名刀(めいとう)焔桜(ホムラザクラ)?」
「あの刀の名称だ。」

首を傾げるエメラにエルザが視線がリンに釘付けになったまま答える。

「“宝石の如き、煌々と輝く(ホムラ)の焼け跡に残るは桜の花弁”。大昔の鍛冶職人が造り上げた名刀(めいとう)だ。扱える者は、10万人に1人と言われている。」
「そ・・そんな、すご、すぎる人が、い・・いたんだ・・・」

普通に語るエルザとは裏腹に、エメラは壊れたロボットのように首をガガガと動かしながらリンに視線を戻した。

「ハァアアァァアアアアアアッ!」
「よ・・よせっ・・・!」

グリフトは1歩1歩後ずさりをするが、リンとの距離はあっという間に縮まった。リボンの鈴がチリンと鳴り響く。

「鈴の音を響かせながら、敵を殲滅する。」
「その事から生まれた、リンの異名―――――」

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