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一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
Prologue
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させてくるコウ。こいつがこんなに表情を明確にするなんて珍しいな。なんだその目は。少女漫画か。
?僕とカイはそれを見て苦笑しながら「そうだな」と返答する。

「……二人とも買うことはできたか?」
「うん」
「もちろん」

?頷きながら三人で教室の前からの移動を開始する。目的地は校内を出て体育館の近くにある部室棟だ。剣道部は体育館で練習が行われるので一緒に歩くには都合がいい。

「……そうか……三人とも持ってるんだな」

?遠い目をしながら感慨深そうに呟くコウ。僕がカイに対してやった反応と同じだ。その反応に僕は笑いながら口を開く。

「楽しみだね、明後日」
「そうだな、ついに正式サービス開始だからな」

?僕の言葉に答えるのはカイ。
?本当にいよいよって感じだ。弾む心を抑えることができない。それは二人共同じはずだ。

「アバターの名前、どうする?」
「僕はあだ名でいいと思うよ。あっちで見つけるとき楽だろ?」

?ぶっちゃけ本音を言うとアバターの名前を考えるのがめんどくさいからだが、それは口にしない。名案だとも思うしね。
?僕の提案にカイは納得したようで

「じゃあ、三人ともあだ名にするか?」

?と僕とコウに聞いてくる。

?僕の提案なので僕が異論を出したら問題だろう。まぁ、出すつもりはないけど。
?コウもそれで良いようで笑いながら頷く。僕たちの同意を確かめるとカイは満足そうに笑った。

「よしっ、じゃあそれで決定だな!」

?僕もコウもあまりアクティブな方ではないのでカイの行動的なところによく救われている。本当にいい友達を持ったなあとしみじみしてしまう。

?そんなことを話しているとあっという間に部室棟に到着した。もう少し三人で話したかったが、先輩に怒られるのは嫌なのでこの辺で中断する。
?僕の学校は何故か部室棟が右と左2つに別れている。サッカー部と野球部の部室が多いからだろうか。

「じゃあ、俺こっちだから」

?そう言ってカイは僕たちから少し小走りになって右の部室棟に行く。

?ついでに説明すると右の部室棟の中はサッカー部と野球部、そしていろんな部活の道具が置いてある倉庫。少し差別サッカー部と野球部へのような気もするが部員が本当に多いのだから仕方ない。
?なんで毎年サッカーと野球に新入生を吸い取られるのだろう。派手だからかな。

?コウはその背中に「ちゃんと時間通りにログインよ〜」と声を出す。それに対しカイは小走りのまま右手を挙げて答える。何そのかっこいい対応。少し憧れるな。
?
?さて、僕もそろそろ部室に行かないとな。一応先輩だし遅れたら後輩にナメられるかもしれない。うわぁ、想像するだけで腹立つし何よりショックだ。

「じゃあ、僕もそろそろ行くよ」
「…
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