SAO編?―アインクラッド―
Prologue
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いると二階から姉が降りてきて
『じゃあ、私が買ってきてあげるよ』
?その時の姉は僕にとって救世主にも相応しかった。涙が出そうになった程だ。親も姉ならば……と言って、姉に買ってきてもらったというわけだ。
?ちなみに姉は高校一年生だが、空手を習っているので普通に強い。だから親から夜の外出が許されたんだろう。僕も空手か何か習おうかな。
?そのことを事細かにカイに話すと納得してくれた。
「お前ん家の親、厳しいな。俺ん家は普通に許してくれたぞ」
「マジでか、いいなあ」
?うちの親、妙なとこで厳しいんだよなあ。ていうかカイはあの行列並んだのか。うわぁスゲー。なんか尊敬するわ。
?僕は机にかけていた体重を座っている椅子の背もたれに移動させて背伸びをすると同時に息を吐いたあと、また会話を続ける。
「でも、一番いいのは並ばずに手に入れることだよね」
「まーな、でもそんなの不可能だろ」
「うん普通はね」
?そう、普通は無理だがそれをやってのけたやつがいる。しかも僕の身近に。本当に羨ましい限りだ。
「カイ、ユウ。部活行こうぜ」
?声のする方向を見てみると、廊下側の窓を開けてそこからこちらに手を振っている男子がいた。よく見ると彼はスクールバッグとエナメルバッグを背負っている。
?彼の名前は中原滉希。若干茶色っぽい黒髪を眉毛の少し下まで伸ばしていて、少し眠たそうな印象を与えるタレ目とあまり変わらない表情、そして少し変わった口調が特徴だ。
?ついでに彼にもあだ名があり、僕とカイ二人からコウと呼ばれている。
?こいつも幼稚園からの仲で、先程言ってた僕の身近でSAOを店に並ばずに手に入れた男だ。
?その方法というのは別に違法とかではなく、βテストに受かったというものだ。
?僕はつい最近まで知らなかったが、βテスト当選者は特典のような感じで家に正式サービス用のソフトが無料で送られてくるらしい。
?最初は「くそっ、なんでこいつだけ……好きな女子から振られればいいのに!」なんて思ったりしたが、深く考えてみるとβテストに当選するのはものすごい確率だったらしいのでそれを考慮すると当たり前なのかもしれない。
?僕は座ったまま手をひらひらと振り返し、少し笑いながらコウの言葉を返す。カイの方をチラッと見てみると彼も小さく手を振っていた。
「おう、わかった。今から行くよ」
?ちなみに僕は硬式テニス部。カイはサッカー部、コウは剣道部だ。
?僕は素早く机の中にある教科書とノートをスクールバッグに詰め込み、コウのもとへ向かう。カイも僕の後ろからついてくる。
「よっす、お疲れさん。またせたね」
「……お疲れ。いよいよ明後日だな」
?待ちきれないと言わんばかりに目をキラキラ
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