第2話〜特科クラスZ組・始動〜
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「こら、フィー。さぼってないであんたも付き合うの。オリエンテーリングにならないでしょーが」
建物を支える骨格にワイヤーフックの爪を引っ掛けてぶら下がり、落とし穴を回避した銀髪の少女はサラ教官がナイフを投擲してそのワイヤーを中ほどから切断される。支えを失ったフィーなる少女は「メンドクサイな」などと小声でのたまいながら穴の中に落ちていく。
(へぇ、身のこなしが軽い・・・彼女は強いのかな?)
「・・・あんたたち、何やってんのよ?」
「えっ?・・・なぜか俺の生存本能が目覚めたんですよ」
「・・・私も似たようなものだ」
教官の真横に立ってナイフの惨劇の一部始終を見届けていたケインとその隣の茶髪の少年。そして何故かケインにお姫様だっこをされてしまっている青髪の少女がそこにはいた。いきなり意気投合した茶髪の少年と親睦を深めたいところではあったが、少女にひとつ咳払いをされ、ケインは彼女を降ろす。
「そなた、どうして私を助けた?」
「君が綺麗でどこも汚れて欲しくなかった・・・それだけだよ」
「ふむ・・・・・・?そのようなことを異性に言われたのは初めてだが礼は言っておこう」
「どういたしまして。俺はケイン・ロウハート。よろしく頼むな、えっと・・・」
「ラウラ・S・アルゼイド。レグラムの出身だ。以後よろしく頼む」
「私はアレス・ヴァンダールだ。よろしく願おうか」
「へぇ、帝国の武の双璧が揃うなんて奇遇だな」
帝国における騎士剣術の総本山である、<<アルゼイド流>>。そして、帝国で皇族の護衛を務めてきた武の名門、<<ヴァンダール流>>。その2つの流派は、帝国内において武の双璧と言われており有名だ。剣の道に携わる者は知っているのが当然な程の流派出身者が両方自身のクラスメイトにいるという現実に、偶然ではない何かを感じたケイン。彼女らに少なからず興味はあったが、今度はサラ教官に咳払いをされてしまった。
「あっ、そうだ、教官。彼らに何をさせるんですか?」
「あんたたちも行くのよ・・・・・・」
ケインの俺達は無関係ですよねといわんばかりの発言に、こめかみあたりをピクつかせていたサラだが、その一言だけを口にする。
「(落とし穴回避したら終わりじゃないのかよ)・・・了解しました」
教官の応答に対して少々不満げだったがしぶしぶ承諾したケインは、青髪の少女、ラウラと茶髪の少年、アレスを具して下へと飛び降りた。
「よっと・・・」
「あっ、ケイン。やっと降りてきたんだね」
「まぁな・・・ところでエリオット、何でリィンは頬に紅葉がついているんだ?」
「えっと、それはね・・・・・・」
リィンの左頬には、紅葉模様もとい手形がついているがケインには状況が掴めず、エリオッ
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