第2話〜特科クラスZ組・始動〜
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ることはない」
「うんうん、あんな状況だったしね。危ないところを助けてくれてありがとう」
自身のスタンドプレイを申し訳なく思うマキアスに対してアレスが気を利かせてフォローし、エリオットは窮地を救ってくれた礼を言う。その後、加わってもいいかというマキアスの申し出を一同は快く承諾し、自己紹介も一通り済んだところでマキアスが身分を聞いてくる。しかし、あそこまで貴族嫌悪を露にされては尻込みしてしまう。
「マキアスは知ってるけど、俺は平民で、西端にあった村の村長の息子だ」
自分が平民なのもあってかあっさり身分を言うケインに続いてエリオットも自身が平民であると告げる。留学生であるガイウスの故郷には身分の違いなどないらしい。アレスに至ってはもうバレているかもしれないが、彼の先祖の功績を認められたヴァンダール家は、エレボニア帝国皇帝、ユーゲントV世から正式に子爵位を賜っている。
「マキアスが貴族を快く思っていないのは、何か事情があるのだろう。
仲良きことが最良だと思うが私達はまだ出会ったばかり。互いに相容れないこともある。
無理に仲良くしろとは言わない・・・しかし、これも何かの縁だ。
貴公の気が変わってからで構わないが、私の事も前向きに考えてくれるとありがたい」
「その、含みがあるわけじゃなかったが、君は善良な人間なんだろうな・・・すまない」
「いや、私の方こそ説教紛いの事を長々と失礼した」
傲岸不遜な貴族達を見てきたのかアレスの態度に少々面食らったようだが、彼に短く「ああ」と答えてから今度はリィンに尋ねると、ややあって、
「少なくとも高貴な血は流れていない。そういう意味ではみんなと同じと言えるかな」
という返答をマキアスに返した。だが、これでは平民か貴族かをはっきり言っていない。そう思ったケインはリィンの言葉に欺瞞を感じたが、事情があるのだろうと払拭する。
(誰にだって言えないことの一つや二つぐらいあるよな・・・)
隠し事が多々あるケインは、他人のことは言えまいと5人に声を掛けて先に進むことにした。
ケインがいなくともリィン、ガイウス、アレスと前衛は申し分ないと判断し、ケインはマキアス、エリオットとともに後方支援に徹する。
「ハァ!」
突如として現れた飛び猫、もとい猫型魔獣の蹴りを、気合いを乗せた剛剣の切り上げで弾き返すアレス。それによって後ろに仰け反った飛び猫にタイミング良く弾丸が命中した。ケインの早撃ちである。飛び猫の取り巻きであった軟体魔獣もリィンの居合の一閃によってあえなく撃沈した。遭遇した魔獣との戦闘を終え、互いに労いの言葉を交わす。
「それにしても、ケインは凄いな」
「それはそうだろう。ケインは遠近両方こなすユーティリティファイターだからな」
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