第2話〜特科クラスZ組・始動〜
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り、少しの間をおいて「今は問題ないよ」と短く答えた。少々含みのある言い方だったが、とりあえずは納得してくれたようだ。ともあれ、5人組男は子他のグループ(ぼっちも数人いたが)からの遅れを取り戻そうと地下一階の最奥目指して出発することにした。不幸中の幸いと言うべきか、徘徊している魔獣はさほど強くなかった。紫色の毛並をした羽の生えた猫型魔獣。カタツムリのような青い一つ目の軟体魔獣。そして、硬い外殻を持つ黄金色の甲虫型魔獣。今のところはその三種が出現するようだ。
「はあぁ〜っ・・・」
「エリオット、大丈夫か?」
出発して幾度目かの戦闘を終えた後、脱力したような声を上げ、片膝をつくエリオットにリィンは安否を尋ねる。緊張の連続で気が抜けたらしいが怪我はないそうだ。他の4人は平然としている。が、エリオットが別段足手まといというわけではない。魔導杖での後方支援によって十分に貢献している。ガイウスの言うとおり戦い慣れの違いなのだろう。たとえ雑魚の魔獣が相手であろうとも、油断は負傷や死に直結する。エリオットが自力で立ち上がろうとしたその時だった。エリオットに視線を向けすぎていたせいで段差の上にいる甲虫型魔獣に気づくのが遅れ、彼へのバックアタックを許してしまう。
「エリオット!」
「っ・・・!?」
「くっ・・・!」
「不覚ッ!」
(ダメだ・・・ほんの一瞬間に合わない!)
エリオットに飛び掛かる魔獣を誰も止められない。その刹那。一発の銃弾が魔獣に当たって宙を舞う。それを見たケインは戦技(クラフト)を使用し、目にも留まらぬ迅速な動きで左腰のホルスターから導力式の銃を取り出して弾丸を発射。空中をさまよう魔獣に見事命中、その後消滅した。
「・・・よかった。間に合ったみたいだな。」
最初の弾丸を放ったマキアスが、安堵の言葉を口にしてこちらにやって来る。
「遠距離射撃の精度は相変わらずだな、マキアス」
「僕の方こそ。君の早撃ちには舌を巻くよ」
ケインとマキアスは互いに言葉を交わして右手の握り拳を軽く合わせる。
「えっと、二人は知り合いなの?」
「まぁな。・・・それと、エリオット。すまない」
「え・・・?どうしてケインが謝るの?」
「そ、それは・・・」
元いた場所の時の癖のようなものとはとても言えず、言い淀んでいたケインにマキアスが一つ咳払いをして助け舟を出してくれた。今の咳払いで男子5人の視線が彼に集中しているが。
「・・・その、さっきは身勝手な行動をしてしまったと思ってね。
いくら相手が傲慢な貴族とはいえ、冷静さを失うべきじゃなかった。すまない、謝らせて欲しい」
「マキアス・・・(やっぱり貴族は傲慢前提なのか)」
「あちらの貴族にとて非はある。貴公が気にす
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