第2話〜特科クラスZ組・始動〜
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逆に挑発されてムキになり、先行したマキアスに続くようにしてユーシスもさっさと行ってしまった。残る一同はもはや呆れの領域に入っていたが、ラウラの提案によって女子3人組で出発した。ちなみに、銀髪少女の勧誘には失敗したようだ。女子組3人目のリィンの頬の紅葉を作った主である金髪少女は不満を露わにして「フン」と言いながらラウラ達について行った。
「・・・はぁ・・・・・・」
「あはは、すっかり目の仇にされちゃったみたいだね」
深い溜め息をついたリィンは、同情を含んだエリオットの言葉を肯定し、彼女に謝罪をせんと心に決めたようだ。冗談で「彼女がリィンの謝罪を聞かないことに1000ミラかけてやるよ」と言ったケインだが、リィンは「賭け事じゃないんだが・・・」と存外悲愴な口調で返してきたので平謝りした。
「・・・さて、よければ俺たちも一緒に行かないか?」
「うんっ、もちろん!・・・というよりさすがに一人だと心細いよ」
エリオットがケインの提案に真っ先に賛成し、残りのメンバーもそれに続いて同意してくれる。褐色肌の長身少年、ガイウス・ウォーゼル。帝国に来てから日が浅いということでどうやら留学生であるらしく、故郷で使っていたという十字の槍が得物だそうだ。エリオットは魔導杖と呼ばれる新技術の武器を使うらしい。何でもまだ試験段階のものらしく、入学時に適性があると言われて選択したとのこと。リィンの得物は美しい刀身をした白銀の剣で、東方から伝わった太刀というものだ。彼いわく、切れ味はなかなかだが扱いが難しいらしい。アレスのものは燃え盛るような赤色が綺麗な剣だ。驚いたのはそのサイズで、彼の身の丈ほどあるその剣は、幅も広めで得物の威圧感が半端では無い。大剣を構えたその立ち姿は完全に強者のそれで、11人の中ではおそらく上位の強さだろうとケインは思った。
「改めての人もいるけど、ケイン・ロウハートだ。よろしく頼むな」
「・・・ッ!!(何だ、これは?本当に学生が出せる存在感なのか?)」
自己紹介が終わると同時に背中の鞘から剣を抜き、軽く構えただけのケインが放つその圧倒的な存在感に気圧されたリィンは、本能的に疼く胸のアザを片手で押さえた。ケインが右手に持つ剣は黒光りしており、どこか神秘的な雰囲気があった。左手には同系色の篭手を装備している。彼は右手首をひねって一回転させてから剣を鞘に納刀する。様になっていたのか、他の4人にはそれが癖のように見えた。
「・・・それより、ケイン。その、さっきのは大丈夫なのか?」
「オレには黒い翼が生えていたように見えたが・・・?」
リィンとガイウスがケインを心配したのかそんなことを口にする。
アークスにクォーツを嵌める際に背に具現した黒き羽。おそらくそのことだとケインは分か
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