暁 〜小説投稿サイト〜
悠久の巡礼者
空腹
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着いていた。

「ここが私の部屋よ、入りなさい」

 私の後に続いて入ってくる。
相変わらず無表情で・・
最低限の言葉しか発言しないわね。

「私はどこで寝れば・・?」

 部屋を見渡し寝床を懸命に探している
ようだ。

「床に藁があるでしょ・・そこよ」

 下を指を指しながら示した。
犬に命令するような扱いと差異はない。

  「ーーーー」

 黙って礼を済ませ座りこんだ。

 なにも言わないのね・・・・
下着も洗わそうかと思ったけど、
平民だけど使い魔ーー下僕と同じことを
やらせたら私が恥をかくから、メイドに
渡しといてもらおうかしら・・・・

「私の洗濯物は明日メイドに渡しておきなさい・・今日は寝るけど、明日の夜に貴方が出来ること聞くから何か用意しときなさいよねーーおやすみ」

  色々あって疲れたわ今日はーー
ぐっすり眠れそう・・・・

 ◇◇◇

  使い魔と呼称されるより下僕扱いの方が
誰が見ても納得しそうだな・・
主は寝たか、夜空でも眺めるのもーー
悪くなさそうだ・・

 パタン

 起こさないように音を抑えて、部屋を出た。

「夜風が気持ちいいなーー」

  塔から本塔に繋がる渡り廊下の上に
寝転びながら呟いた。

 ピクっ・・

 覗かれてる気配を察知。臨戦態勢に移った。

 右手にブルーフレイム、アヴェリン。
 左手に叡智の杖、番竜の盾、呪術の火。

 獅子魔術師のローブ。
 腕輪。
 腰巻き。

 緑花の指輪。
 三匹目の竜の指輪。
 全ての退魔の指輪。
 南司祭の指輪。

「そこにいるのは誰だ? 出てこい・・」

 影からスッと眼鏡を掛けた
 ショートカットの少女が、姿を見せた。

  「その制服・・ここの生徒かーー?」

  警戒を完全には緩めずに維持する。
 こちらの魔法がどれ程か、まだ検討つかない
 ため、武装の解除は論外だ・・
 擬態の可能性を捨てきれない。

「ーー夜更けに、何のようかな?」

  距離を一定に保ちながら、相手の口や
 杖の動きに目を凝らす。

「ーー貴方に用がある・・敵対の意思はない」

  無表情に見えて優しさを感じる
 瞳に目を奪われかけた。

「証明できる判断材料を何か提示できるか?」

 言葉では何とでも言えるからな。
 警戒せざる得ないだろう・・
 するとーー杖を徐(おもむろ)に投げてきた。
 杖を手から離したのか・・・・
 魔法使いにとって杖は騎士の剣である。
 それ程に話がしたいのか・・?
 ここまでされたら何も言えまい。

  「話をするのは、構わないが・・杖を投げるなんて無謀だぞ」

 杖を投げ
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