空腹
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後
食堂に着いた。
天井が高く広い造りで、
中世ヨーロッパの建物に近い建築
構造だと伺えた・・装飾などもそっくりである。
観察しているうちにメイドが、
豪華な食事を配膳し始めた。
匂いが漂い、食欲をそそられる・・・・
ーー!! 何を考えたんだ・・私はーー
「ーーーーーー」
自分の異常に気づき眉をひそめる。
不死者である私は食事の欲求はなく、摂取
しなくても活動できるため必要としない
はずなのだが・・体が脱力感に冒(おか)され、
腹が活動的になり空腹を訴えかける。
人の像を使い見た目の成りだけは、
生前に戻せても体は既に、常人の機能は
失われている。"死んでる体"を魂の力
だけで繋ぎ止めているようなもの
なのだから・・そして・・
魂(ソウル)も無限ではなく失われる。
何もしていなくても少しずつーー
ソウルを無くした者は亡者となり自我を
失いソウルを求めるだけの化物に
成り果てるのだ・・故に・・
救いなどなく・・ただ進むしか
選択肢などなかった。
それがーーどういうことだ・・
不死者になった者に出る呪いーー
ダークリングが消滅したかと
思えば空腹すらも感じる・・
これでは・・まるでーー人間じゃないか・・
私はーー生き返ったとでもゆうのか・・
蓄えてきたソウルはある収集して鍛えた
武具も全て問題ないーー
そうか・・そうなのかーー私は・・
生きているんだ・・別の世界でーー
この世界に惹き付けた存在に
感謝せねば、なるまいーー
御身に仕え忠義を誓おう。
誓いを胸に主を眺めていた。
「なによーージロジロ見て・・気持ちはわかるけどねーー仕方ないでしょ! ここは貴族が食事をする場所なのよ貴方の席はないの! まぁーー私も鬼じゃないもの!わけて上げるわ!」
床に置かれた皿の上に1つ平凡なパンが
置かれた・・ 生地をこね、焼いただけの
物だろう・・ないよりはマシだがーー
久しぶりに味わう食事がこれだと思うと・・
いい表せない程、残念な気持ちになる。
手に取り食べることにした。
だが・・・・それは・・想像以上にーーーー
「ーーーー硬い・・」
硬かった・・・・
「貰えるだけ感謝しなさいよね! 美味しいの食べたいなら力を示しなさい!! 貴方の忠義深さは買ってるんだからーー」
思わず声に出してしまった、顔にも出て
いたかもしれないーー反省せねば。
彼女の要求は御尤(ごもっと)も、だろう。
魔法使いである己を守る従者が・・
平民だったとのだ・・戦う力のない
者が召喚されれば、悪態もつきたく
なるだろう・・ならばーー
彼女が言うように示す機会を待ち
力を発揮しなけ
[8]前話 前書き [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ