マクロスF
0735話
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「バジュラ相手にはやっぱり反応弾、か」
マクロス・クォーターの格納庫にあるVF-25Sを眺めながら呟く。
機体の翼を挟むようにして左右に2発ずつ、合計4発の反応弾が装備されている。
……いや、この場合は装備されているって言うかくっつけてるって印象だな。
そんな風に考えていると、厳しい表情を浮かべたオズマが俺の横を通って自分の機体へと向かって行く。
やっぱりランカの歌がバジュラに影響するかもしれないとは言っても、戦場に連れて行くのはやはり気が乗らないのだろう。
一応スカル小隊の中では最も防御力の高いカナリアの操縦するVB-6に乗るとはいっても、シスコンのオズマだ。それを許容したのすら驚きだ。
「オズマ」
だからこそ、そんなオズマの背へと声を掛ける。
別に励まそうとかそういう気持ちからでは無い。いや、勿論多少はそれもあるが、そんな感情のままで戦場に挑んで無駄死にして欲しくなかっただけだ。色々と感情により能力は上下する時があるが、基本的にオズマの操縦技術は相当に高い。恐らく今の状況でも量産型Wより若干上程度だろう。
シャドウミラーのメンバーでも無いのに、素の状態でこれ程までの操縦技術を持っていると言うのは少し驚きだ。……もっとも、シャドウの性能を考えるとVF-25Sではどうしようも無いだろうけどな。……ニーズヘッグはともかく、シャドウだけでもあれば随分とバジュラとの戦いも楽になるんだが。
「どうした? もうすぐ出撃だ。アクセルも早いところ機体で出撃準備を整えておけ」
「ああ、心配事が無くなればすぐにでも出撃させて貰うさ」
「……心配事?」
「分かっているだろう? お前が今、どんな表情を浮かべているのか。そのまま戦場に出たら……下手をしたら死ぬぞ」
図星だったのだろう。EX-ギアのメット越しにオズマの表情がピクリと動いたのが見える。
「分かってるさ。この話を聞いたすぐ後で三島の野郎に会いに行ったが……口では色々と綺麗事を言っていたが、奴はランカを道具としてみてやがる。このまま奴にランカを預けておけば……」
「けど、ランカ本人は納得しているんだろ?」
「それはそうだが、ランカの奴は色々と単純だからな。恐らくは三島やグレイスに言いくるめられているんだろう」
「……真実は俺には分からないが、それでも実験が開始される前にランカと直接話しておいた方がいいんじゃないか? それこそ、そんな状態で出撃して後で何かあったら後悔しか残らないぞ」
「……」
俺の言葉に黙り込んだオズマをそのままに、俺は自分の機体のコックピットへと乗り込んで出撃の時間を待つ。
……にしても、急な出撃だったからシェリルをそのまま部屋に置いてきたけど……大丈夫だろうな? 一応部屋から出ないように言っておいたが。
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