第一章 地球編 北アメリカ
第1話 終わりの始まり
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"鎧虫"は自重さえ
支えきれないほど弱ってしまい、その場から動かなくなる。
今見ている奴は多分カブトムシの仲間と思われる姿をしている。
オレはそいつにに夢中になって、後ろに迫る影に気付けなかった。
ツンツン
後ろの影はオレの肩をつついた。
「うおおぁぁっ!!?」
オレは急いで後ろを振り向いた。
そこにはいつもの見慣れた顔があった。
「あんまり油断してると後ろからやられちゃうよ。」
「びっくりした〜 マリちゃんか。」
彼女はマリー。オレと同い年で少しタレ目気味。
アメリカ人のクォーター(4分の1)でほぼ日本人顔をしている。
髪も眼も真っ黒。本名は真理《マリ》だが
みんなは親しみやすいようにマリーと呼んでいる。
(オレはマリちゃんと呼んでいる。)
‥‥‥とってもかわいい。
「みんな待ってるよ。おばさんなんて眉間にシワ寄せてたし。」
後の一言がなければ、喜んで帰っていただろう。
「それは怖いなぁ。帰りたくねぇ〜。」
と言いつつ オレは家まで急いで走った。
**********
ーアジトー
「遅ぉぉ〜〜〜〜〜〜〜〜い!!」
パコォォォォン!
「いっだあぁぁぁぁぁッッ!」
おばさんの振り下ろしたフライパンが頭頂部にヒットした。
「〜〜〜ッッ"鎧虫"がうじゃうじゃいて
なかなか帰れなかったんだよ!」
「ならそんなとこ行かなけりゃいいでしょうがっ!」
もっともな意見を言われて、オレは反論できなかった。
この人はクレアおばさん。
俺を今日まで育ててくれた大切な人である。
29歳でとっても綺麗。たいてい何でもできることが自慢。
とても厳しくて、常にお仕置き用の
裏のボコボコになったフライパンを装備している。
ギャグマンガ的システムによって意外と軽症で済んでいるが
あまりやられすぎると、死ぬのではないかと時々思う。
「ハッハッハッ。その辺にしといてやれ、クレア。」
「あなたは少し優しすぎよ!だからあんな事までする子になったのよ!」
「いや、そのままじゃ死んじまうよ。」
この人はハロルドおじさん。クレアおばさんの夫である。
34歳の元軍人。今もその経験を生かして戦っている。
普段は気さくだが、戦場ではまるで鬼の様だと言われている。
(おばさんはそこに惚れたらしい。)
最近の仕事は家事と、クレアおばさんの怒りの炎を消火することである。
「でもあんまり無茶はするなよ。迅さんからも注意されたろ?」
ガチャ
「ただいま〜。」
遠くから聞き慣れた声が聞こえた。
「おっ 噂をすれば。おーい 迅!
こいつまた"鎧虫"見に行ったらしい
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