05 手配書―みことのさいかい―
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俺達は村を出てから救いの小屋の小屋に行く途中、何か気配がした。
「……」
立ち止まって気配の方に向く。
「どうしたの?」
ジー二アスは聞いてくるけど、俺は気配の方に向かって歩いて茂みの中へ。
「ちょ、ちょっとどこ行くのさー!」
ジー二アスの声が聞こえる。
俺は気配の主を見つけて、拾ってからジー二アス達の所に戻る。
「なんだ?この動物」
「うわ、怪我してるよこの子!」
灰色の毛並み。変わった狐のような耳と長い尻尾の先だけ白く、額に蒼いクリスタルみたいなものが埋め込まれてるいたちのような狐のようなよくわからない生物。
大きさは普通のいたちくらい。
魔物に襲われたのか怪我をしていた。
「ファーストエイド」
動物を抱えながら治癒魔法をかける。
魔法は苦手なのであまり回復は出来ない。
手早くそこらの薬草ともらった包帯で最低限の治療はした。
ゆっくり休ませたいがあいにく休ませる場所がない。
それに急いでいるので休んでる暇がない。
と言う訳で抱えながら歩く事にした。
救いの小屋を通り、しばらく歩いていると動物の目が覚めた。
「キュ?」
動物は俺を見上げてくる。
一瞬ビクっとなってじたばたし始めた。
「大丈夫」
声をかけたら止まった。
再びこちらをジーッと見始める。
「あ、起きたんだな!」
ロイドが動物を見て嬉しそうにする。
「元気みたいだね」
ジー二アスも嬉しそうだ。
動物は自分にまかれた包帯の匂いをかいだりし始める。
それからするっと抱えてる腕から抜け出し肩に乗って頬に擦り寄ってきた。
「もしかして風が傷を治したこと分かったんじゃないか?」
「いくらなんでもそれはないんじゃ……でも、そうなのかな?」
俺は動物を持って地面に置き頭を撫でた後、旅を再開する。
動物はこの近くで住んでいるのだろうと思ったから。
でも動物はついてくる。
連れて行って欲しいのだろうか?
「なあこいつ連れて行って欲しいんじゃないのか?」
そうロイドが言うとキュ!と鳴いてコクリと頷く。
「すごいや!この子、言葉が分かるみたい!」
「なー連れてってやろうぜ、風」
本人がついてきたいのなら拒まない。
コクリと頷き答える。
「よし!じゃ、名前付けてやろうぜ!」
「不便だもんね、風がつけてあげなよ」
俺はじーっと動物を見る。
「……アルマ」
「アルマか、いい名前だな!」
「ボクもそう思う!よかったねアルマ!」
「キュ!」
アルマは俺に飛びつき、肩まで上る。
「これからよろしくな!アルマ!」
「よろしくね」
「キュー!」
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