おまけ:いざゆかん妖精の世界
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貌していたのだ。
「音楽妖精族は馬の妖精なので・・・見栄えもあってロバになったんだと思いますよ?」
「なんだかなぁ・・・俺はブレーメンの音楽隊じゃないんだぞ?」
俺のリアクションに律儀に説明してくれたのは、中層あたりから常連になった女の子・・・がこの世界でアバターを作った姿らしい。
確かに声に聞き覚えがあるが、髪の色とかだいぶ変わっているので最初は戸惑った。
彼女は猫妖精であり、頭には猫耳が生えている。耳の生える位置そのものが変わっても平気なんだろうか?
しかし、彼女もそうだがSAO生還者の多くがリアルの顔に近めのアバターになっている気がするのは気のせいだろうか。俺は今更自分と似ても似つかない顔にするのは違和感があって比較的現実に近い顔にしているのだが。
SAOを生還した人間に共通するのか、それとも単なる偶然か。
「あ、空飛べますけど・・・チャレンジします?」
「・・・・・・まぁ、結果は見えてるけど一応やる」
やはりまともに飛べなかったが、女の子に手伝ってもらって取り敢えず空を飛べた。
足元が無いのが無性に怖かったので、二度と飛行には挑戦すまいと心に決めた。
自覚無かったが、高所恐怖症だったみたいだ。
= =
「ねえお兄ちゃん。これから来る人ってSAO生還者なんだよね?強いの?」
その素朴な疑問に、質問をされた兄は何とも言えない微妙な顔をした。
「いや・・・多分生還者の中では指折りの弱さだと思う」
「えっ・・・」
気まずい沈黙。
SAOのトッププレイヤーで、余り他人を悪く言う事のない兄が言うのだから、恐らく出会ったプレイヤーの中でも飛び抜けて弱かったのだろう。
その会話を聞いた周囲の何人かがうーん、と唸る。
「戦いに必要な才能を一通り持ってなかったな・・・」
「ガンジーの生まれ変わりかってくらい戦えなかった」
「アイツのレベリングはフロアボスより強敵だったぞ・・・」
「可哀想なくらい弱かったわね。というか、とことんSAOに向いてない人だった」
言いたい放題に聞こえるが、これらはすべて事実である。
「あ、あれかな?ほら、生産職・・・」
「そっちも全然ダメだったな」
「ああ、第一層の武器をメンテするのもしょっちゅうパリパリ砕いてたな」
「とことん才能の無い人だったわねぇ・・・」
なんか、これだけの人間が集まって待機しているのに、呼ばれた人は酷く情けない人間のように思えた。
まだ顔も知らないのにそこまで言われるなんて、実は凄く可哀想な人なのではないか?と感じずにはいられない。
「じゃあ何した人なの?」
「歌った人。多分、アインクラッド中であいつを知らない人はいなかったんじゃないかな?下層から上層まで
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