第二十一話 菖蒲の友人その一
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美しき異形達
第二十一話 菖蒲の友人
菖蒲は朝起きてすぐに二階の自分の部屋から出た、そうして一階のリビングに行くと。
自分より二歳程年上の落ち着いた雰囲気の大人の女性を見た、すでにラフなジーンズとシャツを着ていて制服に着替えたばかりの自分の姿を見比べてこう言った。
「姉さんいつも通りね」
「いつも通りって?」
「朝から元気そうね」
「まあね、むしろね」
「私の方がなのね」
「菖蒲ちゃん相変わらず朝は今一つね」
「調子が出ないの」
こう返す菖蒲だった、口調は変わらないが確かに昼の時より調子は悪そうだ。今一つキレがよくない感じだ。
「どうもね」
「そうよね、菖蒲ちゃんはね」
「起きたてはどうしても」
「ええ、それじゃあね」
「朝御飯を食べて」
「エネルギーを補給してね」
「早く食べなさい」
姉と一緒の席に着いている母が言ってきた。
「そうしてね」
「ええ、身体も起こして」
「学校に行くのよ。今日もバイクで行くのよね」
「サイドカーでね」
そうするとだ、菖蒲は自分の席に向かいながら母に答えた。母も自分の席にもう着いている。とはいっても二人共また朝食に手は付けていない。
「そうするわ」
「そうよね。それじゃあよ」
「早く御飯を食べて」
「起きなさい、完全にね」
「寝惚けてバイクに乗ったら駄目よ」
姉も微笑んで妹に言う。
「さもないとね」
「事故を起こすから」
「バイクの事故は酷いのよ」
姉はこのことは半分以上真顔で言った。
「だからね」
「しっかりと起きてそのうえで」
「そう、学校に行くのよ」
「姉さんもよね」
「私は今日は講義お昼からなのよ」
姉はあっさりとした微笑みでこう答えた。
「早く起きたけれどね」
「そうなの」
「まあ朝御飯を食べてちょっとゲームをしてからね」
「登校するのね」
「大学にね」
「そうなのね。朝からだったら送ったけれど」
菖蒲は自分の席に座りながら姉に言った。既に席には朝食が用意されている。ハムエッグにトースト、それに野菜ジュースが置かれている。切られたオレンジもある。
「午後からだったら」
「私一人で行くから」
「そうするのね」
「菖蒲ちゃんのサイドカーの横の席に座るのもいいけれど」
姉は笑いながらこうも言った。
「今日はね」
「わかったわ、そういうことね」
「お父さんと兄さんはもう仕事行ったわよ」
二人は既に、というのだ。
「後は私達だけよ」
「わかったわ」
「じゃあお母さんもね」
母もここで言ってきた。
「あんたが学校に行ったら」
「スーパーね」
「パートに行って来るから」
それでだというのだ。
「後は蒼心ちゃん
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