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ドリトル先生と伊予のカワウソ
第八幕その一
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               第八幕  先生の秘策
 長老さんのお屋敷は見事な和風のものでした、その木造のお屋敷を見てダブダブが驚いてこう言いました。
「いや、このお屋敷もね」
「凄いよね」
「とてもね」
「うん、凄いよ」
 こうオシツオサレツの二つの口での言葉にも答えるのでした。
「広さはカワウソさん達のものよりずっと小さいけれど」
「趣がね」
「いいよね」
「日本のお屋敷ってね」
 どうかとも言うのでした。
「独特のものがあって」
「それがまたね」
「味があってね」
「先生のお家もね」
 今彼等が先生と一緒に住んでいるそのお家もだというのです。
「落ち着いた雰囲気でね」
「お庭も整っていて」
「綺麗でね」
「そう、けれどこのお屋敷はね」
 長老さんのそのお屋敷は、というのです。
「僕達の今のお家よりもね」
「大きくてね」
「趣があるね」
「本当にお屋敷だね」
 そう言って差支えのないものだというのです。
「ここも」
「うん、このお屋敷もね」
「いいよね」
「このお屋敷はです」
 加藤さんは先生にお話しました。
「街でも滅んどの人が誰がいるのか知らないのです」
「長老さんが住んでおられることよ」
「はい、旧家とだけです」
 そう思われているというのです。
「私も先日教えてもらいまして」
「そうだったのですか」
「そうです、とりあえずです」
「今からですね」
「お屋敷の中に入りましょう」
「そうしてですね」
「長老さんに昨日のことをお話しましょう」
 こう言ってでした、そのうえで。
 先生達はまずはお屋敷の門の前に来ました、すると。
 その中からでした、一人の小坊主みたいな人が出て来てです。そのうえで先生達に陽気に言ってきました。
「あっ、どなたかって思ったら」
「うん、僕達だよ」
「お邪魔しに来たよ」
「長老さんにだよね」
 小坊主さんは動物達に応えました。
「そうだよね」
「そうだよ、昨日カワウソさんのところに行ってね」
「お話してきたんだ」
「何もなかった?」
 小坊主さんは動物達の言葉を聞いて皆を心配する様に尋ねてきました。
「あの人達怖くなかった?」
「いや、全然ね」
「そうしたことはないよ」
「皆いい人達だったよ」
「本当に?」
 小坊主さんは動物の皆の言葉に驚いたお顔で言葉を返しました。
「あの人達が」
「うん、僕達嘘は言わないから」
「本当にそうだよ」
「嫌味なところもなくてね」
「紳士だったよ」
「そうなのかな、カワウソさん達のことは知っているけれど」
 この人達のことは、というのです。
「四国から姿が見えなくなるまで仲良くしていたからねえ」
「同じカワウソさんじゃない」
「そうだよね」
「特に変わ
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