第三章
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第三章
第三章 ハーレムを選ぶ
ケムルはだ。ジャアファルに対して答えた。
「わかったよ。じゃあね」
「どちらにされますか?」
「ハーレムにするよ」
満面の笑顔で答えたのだった。
「そっちにね」
「ハーレムにですか」
「奇麗な女の子を一杯集めて」
どうするかというのである。
「それからね。楽しくやるよ」
「そうされますね」
「うん、じゃあそれでね」
「わかりました。それでは」
こうしてだった。彼は一人の妻ではなくハーレムを選んだのだった。
何十人もの美女を集めてそうして彼女達と遊んだ。しかしだ。
美女同士がだ。問題だった。
彼女達は何かあれば喧嘩をしてだ。嫉妬を露わにした。
ケムルに対してもだ。昨日どうしてあの女のところに行ったのか、自分のことは忘れたのかとくってかかりだ。引っ掻いたり噛み付いたりだ。
しかもそれが何人もいた。流石に全員ではないが泣く女や塞ぎ込む女もいる。酒を飲んで暴れる酒乱の女もいれば勝手に浮気をする女もいた。
それを受けてだった。彼はたまりかねてこうジャアファルに言った。
「どうにかならないかな」
「どうにかですか」
「もう大変だよ」
あちこちに引っ掻き傷や噛み傷がある。まるで猫にやられた様だ。その痛々しい姿でだ。ジャアファルに対して相談するのである。
「猛獣が何匹もいるみたいだよ」
「困っておられますね」
「見てわからないかな」
これがケムルの言葉だった。
「その通りだよ」
「ではどうされますか?」
「確かに女の子が一杯いるのは楽しいよ」
その快楽はいいというのである。
「けれどね。それでもね」
「それでもですか」
「このままだと身がもたないよ」
こう言うのだった。
「いあ、本当に」
「ハーレムは止められますか?」
「ハーレムを?」
「はい、どうされますか」
ジャアファルは冷静な面持ちでケムルに問うた。
「それでは」
「ううん、確かに大変だけれど」
ここでだ。ケムルはだ。
困った顔になってだ。それでだった。
苦しい顔でだ。こう言うのだった。
「このままだと身がもたないし」
「ですから。どちらにされますか」
「ハーレムをこのまま持っているかそれか捨てるか」
どちらかにすることになった。そして彼の決断は。
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