第一
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「ひいっひぃった、助けて・・・!」
『なんだ、コイツは』
その青年は、シャガルを見るなり泣きながらすがりついた。
服装は派手で、靴も泥にまみれてはいるがしっかりとしている
(文明はだいぶ進んでいるな)
まず、シャガルの心に安堵が訪れる。
しかし、膝下のこの青年が何者かに追われていることを思い出し、意識を青年へと向ける。
小太りだが、まだ年はそう食っていない青年は、涙で顔を濡らして懇願する
ただ、要領を得ない言葉を発している青年に対してシャガルは問いかけた
「おいおい、一体何があったんだ。何に追われてる?」
問いを投げられ、初めて我に返ったこの青年は、息を切らしながら話し始めた
「あ、あいつら、僕たちの村を焼いて軍事基地を作るとか言い出して・・・村のみんなで抵抗したけど、どんどん殺されて・・・父さんが、逃げろって俺に・・・」
青年は、必死に、時々聞き取れないような言葉で説明をし始める
それを語る目には、いつ殺されるかもしれない恐怖がありありと見て取れる
そして、その恐怖の元凶は、話をしてる間にすぐそこまで迫っていた
「その父さんってのは、コイツかぁ?」
ドシャッ
現れた二人組の男。そのうち一人が、壮年の男の首を放り投げた
「あ、と、父さん・・・!」
『アレが父親か。無惨なことだ』
アルファは冷静にしているが、青年はそうは行くはずもなく、首のもとへと駆け寄
ろうとする
「バカ野郎!殺されるぞ!」
シャガルは、青年の襟首をつかみ静止させる。
相手と首の距離は目と鼻の先。完全に相手の間合いだ
「ふーん、なかなかやるみてぇだが・・・めんどくせえな。殺すか」
「ああ」
そう言ったかと思うと、二人はまずシャガルに狙いを定め、襲いかかった
二人共素手で殴りかかってくる。シャガルにはそれで十分だと判断したのだろう。だが
「流石に、危ないぞ?我・契約文を捧げ・大地に眠る悪意の精獣を宿す!」
シャガルの指に魔力が宿り、腕を躍らせ宙に魔法を描く
目にも止まらぬ速さで描かれた魔法陣はその効果を遺憾なく発揮し、シャガルの身
体能力を引き上げる――!
「なっ!?」
「はやい・・・!」
シャガルは二人相手に真っ向から肉薄し、蹴りを繰り出す。
しかし、彼らもかなり経験を積んでいるのか、紙一重で躱し、距離を置く
「あいつも魔法が使えるのか・・・見たことない魔法だが、油断はできねぇようだな」
一人が、距離をとりつつ発する
シャガルの力量を、刹那の攻防で測ったようだ
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