第002話 ─Inn tavern─ 宿屋にて
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行政地区、歓楽街なんかを見て回ったけど、それほどたくさん見るものがある訳でもなく、私たちは宿屋にもどったわ。
道々、少し説明したけど、腰を落ち着けて本格的にこの世界の事情を教示する。
そう言えばイッチカーは、「言いにくそうだから、名前は呼び易いようでいいぜ」と言ってくれた。その言葉に甘えて「イ・チ、イッチ……イーチ……」と試したみたけど、呼びにくい名前だわ。
それで結局、呼び方は『オリムー』になったの。なんだか本人は「異世界でも……」とガックリしてたけど、なんだろ?
そして、ここがヘイルラン大陸南端に位置するルーンタイン魔法学園自治領で、私たちが学園の生徒であること。在学中に登録できる学生冒険者であること。それから、この世界の通念を説明したんだけど、ビックリするくらいに事情に通じてたわ。
ギルドの概念、ランクアップの仕組み、魔法社会に魔法学校 etc……。なんでそんなに異世界事情に詳しいのか聞いてみたら、『ラノーベ』とかいう庶民向け戯曲でよく題材にされてるんだって。
それよりも、こっちがビックリしたのは、印刷技術に流通機構。うまく説明できないみたいだけど、その技術力や規模に信じられない思いよ。
それから、王制に関しては思うところがありそうだけど、この国を含む大抵の王族は善政を敷いてるっていうのは、納得してくれた。奴隷制度には、ハッキリと嫌悪感を表してたけど……。そうそう、彼の世界の司法制度って、驚異的に整ってるのね。
後は、通貨の感覚は自分で使って覚えるしかないわね。
それから、『IS』の待機状態だというガントレットを盗まれないようにしなくちゃいけないのと、生身で身を守れるようにするのが、今の一番の目標ね。
元の世界に帰る方法を調べるにしろ、まずは生活しなくちゃいけないし。
こうして知り合ったの何かの縁だし、異世界のことももっと知りたいわ。
武器や防具を揃えるのは、私たちパーティの共有預金から貸し出して、皆で鍛えようと思うの。そして彼を臨時メンバーとして、一緒に依頼を受ければ生活も成り立つわね。
みんなも賛成してるし。
「それでね、オリムーも私たちの学園に編入して、いろいろ学んだ方がいいと思うの。とりあえず学生という身分は手に入るわ」
「おっ、俺、学校に行けるのか!? 魔法とか習ってみたいなぁ」
「フフフッ。紹介状が必要だから、お父様にはある程度事情を知らせないといけないんだけど、平気?」
「そうだな、リリサの父さんって、俺や白式を利用しようとはしない?」
「その辺りは信用してもらって、大丈夫よ。現在のウチの騎士団の実力は充分だし、宮廷でのドロドロになんて近づかないようにしてるから、お客様って感じてくれるはず」
「なんか、悪
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