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インフィニット・ストラトス ─Castaway─
第002話 ─Inn tavern─ 宿屋にて
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士? 違う違う、俺は『IS学園』の学生だよ。……なあ、もしかして、その耳って本物?」

「? 勿論。私は[ヴルペシア(狐人)]よ。これでも由緒正しい、『フェンニゴルド王国』のマンエルハイム辺境伯家の者よ」ちょっと気取って言ってみた。

「庶民派で、あんまり貴族っぽくないけどな……」とギャスが呟くのに、キッと睨んでおく。むう、笑っていなされた。まったく、この『ファットマン』め!

 しかし、騎士じゃなくて、学生なのね。『あいえす学園』って、騎士学校かな?

「フェンニ……って、聞いたことがないな。日本とかアメリカ、イギリスって国の名前、聞いたことないか?」

 なんだか焦って、イッチカーが聞いてきた。

「聞いた事がないわね。みんなは?」

「聞かぬな」「知らないワ」「うむ」「知らないっス」誰も知らないらしい。

「冒険者に、聞いたことのない国、ケモミミって……まさか、まさか」と、イッチカーが呟いている。顔色が悪い。もう一度、横になるように言おうとしたとき、彼が爆弾を投下した。

「俺って、異世界に来たみたい?」





「おーーーーっ、スッゲーーーーっ!」

 もう大丈夫だというイッチカーを伴って、私たちは宿屋から外に出た。街を見てみたいと、イッチカーが言い出したから。彼は今、子どもみたいに、周りの口径に目を奪われている。
 イッチカーには、フランクの服を貸してるわ。さすがに、あの肌着姿じゃねぇ。

「まさしく、中世の街並って感じだな。……おっ、あそこは武器屋かな。こっちは何屋だろう?」

「ホラホラ、イッチカー。貴方、ちょっと落ち着きなさいよ」

「これが興奮せずにいられるかっての! すっげえ、ファンタジーの世界だ……」

 子どもみたいにはしゃいでいるイッチカーに、私たちは苦笑した。




 彼の「異世界発言」を初めは信じなかった私たちだけど、彼の言う魔法の無い世界の科学技術の説明、ISの事、その他の兵器の概要を聞いて、単なる妄言とは思えなくなったわ。いつの間にか私たちは、すっかり彼の言うことを信じていたの。
 揺るがない彼の瞳の所為なのかしら……。
 ハッ、違うからね! 全然、彼なんか私の理想の殿方像とは、違うんだからねっ! 私の理想は……って、今は関係ないでしょっ!!! 

 それは置いておいて、『IS』を見られなかったのは残念ね。今は自己修復中で、眠っているんだって。しかも、高度な古代魔法文明の魔具のように固有意識を持っていて、成長したらお話しもできるなんて、信じられないくらいよ。
 今は共有意識体(で解釈はいいのよね?)から切り離されているそうで、目が覚めたら寂しいんじゃないかしら。
 ぜひとも、お友だちにならなくっちゃ。

 その後も、中央市場や
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