第001話 ─Castaway─ 遭難
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セシリア・オルコットは、[ブルー・ティアーズ]で避難民を空から誘導しながら、安心させるように、常に人々に励ましの声をかけていた。
一夏のいるであろう、遥かな場所を振り返った。
(一夏さん、ご無事で)
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シャルロット・デュノアは人の絶えた住宅地を、[ラファール・リヴァイヴ・カスタムII]のセンサーで走査しながら飛び回っていた。生体反応を二つ認めると、そこへと急ぐ。
民家の裏庭、小さな女の子が子犬を抱いてうずくまっていた。
「大丈夫? 怪我はない? 可愛いワンちゃんだね、君のワンちゃんかな?」
頬を濡らし首を横に振る幼女に微笑んで、子犬と一緒に抱き上げる。
「そう。じゃあ、一緒に安全な所に行こうね。パパやママも、きっとそこだよ」
ようやく笑みを見せる子どもに、安心させるように言うと、飛び上がる。
(一夏、君も早く安全な場所に来て)
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篠ノ之箒は火山とは反対側の港で、[紅椿]で空中から、脱出する人々の治安監視を行っていた。混乱に乗じての犯罪や騒乱を防ぐためだ。
小競り合いが起きそうになると急行し、一喝する。その迫力に、騒ぎはすぐ静まった。
(……一夏)
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凰鈴音は[甲龍]を駆り、溶岩が噴き出した場合に備えて町の外縁に沿って堀を築いていた。
「このこのこのこのこのぉぉぉぉぉっ!」
[崩山]を連射、爆撃によって地面を抉り[双天牙月]を車輪に回して掘っていく。
「どりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
(一夏、無事に帰ってきなさいよ!)
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ラウラ・ボーデヴィッヒは、[シュヴァルツェア・レーゲン]の出力を最大に、機関トラブルを起こした貨物船を曳航していた。少人数ごとにボートで脱出するよりは、よほど効率が良いためだった。
貨物船はゆっくりとだが、確実に移動している。
(嫁よ、戻ってこなかったら、私が許さん)
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更識簪は[打鉄弐式]の[春雷]と[山嵐]を駆使して、避難民や退避施設、脱出船などに降り注ぐ火山弾を迎撃していた。火山を中心とした全方位のうち、70度ほどを防衛すれば良いため、任務は彼女一人に
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