第001話 ─Castaway─ 遭難
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残り少なく、反撃も容易にはできなかった。回避しようとする軌道を先回りされ、直撃はなんとか避けているが、機体はもうボロボロだった。
『私の自慢の子どもたち、モリガン、ヴァハ、バズヴの歓迎は楽しんでもらえたかい?』
そんな時、敵パイロットからの通信が入った。
「お前も、ファントムタスクのパイロットなのか!? 初めましてだな!」
一夏は虚勢を張り、死の天使といった印象の、漆黒の敵ISの隙を伺う。声の感じからして、20代初めくらいの女性のようだ。
『あら、礼儀正しい子は好きよ。私って、スカウトされて2週間の新米なの。知り合いが少ないから嬉しいわ、ふふふ。それまでISなんて、触ったこともなかったんだけどね』
その言葉に、一夏は驚愕した。
初めてISに乗って、たった2週間でこれほど乗りこなせているとは、どんな天才だよ。いや、これじゃあ、もう天災じゃねぇか!
『そろそろ、お開きにしようか。お眠りな!』
言葉と同時に、[バズヴ・カタ]の胴体部の大口径の砲門と、三体のビットからMTHEL(レーザー)が降り注ぐ。直撃されればシールドエネルギーは底を尽き、捕虜になるしかない。
一夏は破れかぶれで死中に活を求め、噴煙の中に突入した。密集する火山灰に遮られ、レーザーは中まで届かなかった。
だが、噴煙内部は火山灰や火山岩などが渦を巻きこすれあい、摩擦電気がもたらす火山雷が乱舞している、地獄のような光景だった。視界もセンサーも利かず、感じないはずの猛烈な熱でクラクラする。感覚も失われ、上だと見当をつけた方向に、突進した。
何度か雷の触手に捕まりそうになるが、なんとか避けた。
噴煙の上縁部、もうすぐ突破しようかという位置で、一夏は危険を感じて急制動をかけた。解消しきれない衝撃が、身を襲った。
眼前の逆巻く火山灰が、真球状に抉られたように、中心点に向けて凝縮してゆく。
露になった視界に、[バズヴ・カタ]のバックパックから展開した巨大なレンズ状の武器が映る。空間を歪め圧縮し、直径10mの範囲が抉り取られていた。
『どうだい、試作兵器だけど、なかなかイケてるんじゃないかい!』
そう言いながらも、アイリーン・ブリジット・ダナハーは焦っていた。一定の空間を圧縮し対象を捕捉・破壊する兵器[スパスベイン]。[白式・雪羅]を閉じ込め、高圧下で捕縛しようとしたのだが、直前で白式が停止したため照準を外した。
再度捕捉し直そうとしたが、システムエラーの表示とともにスパスベインは稼働状態のままフリーズしてしまった。照準空間の位置固定のため、機体を移動させることができない。再起動をかけようにも、この状況ではそれも無理だ。
アイリーンはビットたちを呼び寄せようとした。
圧縮された噴煙は密度を高
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