第二話 腹違いの妹！？有り得るから怖い！その十
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「僕にも女の人にも」
「左様ですね」
「それに責任は取ります」
自分のやったことにはだ、僕の知っている限りでもそうだったし聞いた話だと自分のしたことから逃げたことはない、相手が逃げても。
「色々あっても」
「そして公平ですね」
「特に女の人に」
「そうした美点もある方なのは確かですね」
「はい、ですから」
本当にだ、本音ではだった。
「親父は嫌いじゃないです」
「だからこそですね」
「親父の子じゃないって言われたら」
「そういうことです、時として真の親を知ることは怖いのです」
「それだけで、ですね」
「左様です、ですから」
「詩織さんもですね」
僕はおおよそわかっていたにしてもこのことをだ、あらためて認識した。
そうしてだ、こう畑中さんに言った。
「怖いから」
「これを無理強いすることは私には出来ません」
「僕もです」
それはだ、僕もだ。
「そこまで残酷な人間じゃないつもりです」
「左様ですね」
「ですから」
「そうしたことはですね」
「詩織さん自身が決めることですね」
僕は畑中さんの言葉にあらためて頷いた。
「僕達では決してない」
「そういうことです」
「僕も何か下衆な考えを持っていますね」
詩織さんの本当の父親が誰か、例えその人がうちの親父の可能性があるにしてもだ。僕は自分のことを心からこう思い嫌になった。
「本当に」
「いえ、どうしてもです」
「どうしても？」
「ある方のお父上がご自身のお父上であるかも知れないとなれば」
「どうしてもですか」
「心配になるものです」
今の僕の様に、というのだ。
「ですから今の義和様は下衆等ではありません」
「だといいのですが」
「何はともあれです」
「このことはですね」
「はい、詩織様の問題で」
「僕達からは言わない」
「そうしていきましょう」
こう僕に言うのだった。
「それで宜しいでしょうか」
「そうですね、ではこのことは」
「もう、ですか」
「言わないです」
こう決めた、今確かに。
「例え何があろうとも」
「それでは私も」
畑中さんもだとだ、僕に言ってくれた。
「そうさせて頂きます」
「そういうことですね。本当にすいません」
畑中さんにお礼も言った。
「こんなことをお話して」
「いえ、これもです」
「これも？」
「私の仕事ですので」
畑中さんは優しい笑顔で僕にこうも言ってくれた。
「お気になさらずに」
「畑中さんの、ですか」
「私は義和様の執事です」
「執事だからですか」
「執事は主をお助けすることが仕事です」
「こうしたことでもですか」
「公私に渡って」
つまりだ、こうしたことの相談もだというのだ。
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