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仮面ライダー龍騎【13 people of another】
Part One.
First chapter.
第7話
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かってるよ。俺には、戦いしかないから……」

ナナはどこまでも優しいのだ。
それは幼い頃から変わらない。だが、今はその優しさが枷となっていた。



───…



「はあ、逃がした……」

日ノ岡は寮にある取り付けのベッドに寝転び天井を見ていた。日ノ岡が気にしているのは仮面ライダー王蛇のことだ。王蛇はこの今まで築いてきたライダー達の仲を一瞬にして打ち崩したのだ。

実は日ノ岡、こう見えて仲間思いなところがある。
それは彼自身に友達がほとんどいないからといってもいいだろう。だからこそ、仲間を殺した王蛇が憎い。

「読川くんが王蛇だと思ってたんだけどな……アリバイがあったら何にも言えないよ」

日ノ岡はナナが王蛇ではないかと疑っていた(実際そうなのだが……)。しかし油島はナナが王蛇ではないという証拠を持って来てしまったのだ。
それが、ナナが城戸と一緒に餃子を作った時のことだった。一応確認をしたが、城戸はずっとナナといたと言っていた。目を離したのはナナがトイレへ行った時くらいだという。

「謎が謎を呼ぶなぁ……」

日ノ岡はうつ伏せになるとそのまま目を閉じた。



──────────



ナナはとあるスーパーマーケットへ買い物をしに来た。

「えーと、今日は……茄子が安いな……今夜は夏野菜カレーか、いや焼き茄子も良いかもしれない」

顎に手を当てナナは今日の献立を考える。
ナナにとって料理は新しい趣味になっていた。大きな理由は油島があまりにもふしだらな生活を送っていたから。初めて彼の家へお邪魔した時は、まさに男の一人暮らしと言ってもいいくらいの散らかりようだった。その瞬間、ナナは居候するにあたって油島の家の家事をやることに決めた。いや、ナナがやらないときっと油島はもっとダメな男になっていただろう。

「ありがとうございましたー」

結局、ナナは今夜の献立は夏野菜カレーにすることにした。

「……あ、油島さん茄子嫌いだった……まいっか、たまには苦手な物食べさせておかないと」

スーパーのレジ袋ではなくエコバックを肩にかけたナナはこの時代には少し目立つが、ナナは気にすることなくスーパーを後にする。
家に帰ってきたが油島はまだ帰って来ていないようだ。ナナは買ってきた物を冷蔵庫の中へ次々と入れる。全部が収まった時だった。

キィーン…

「……モンスターか?」

しかし、しばらくするとその音は消えた。
ナナはその場で辺りを警戒する。
モンスターであれなんであれ、この家にミラーモンスターがいたのだ。警戒しないに越したことはない。

しかし、いつまで経ってもモンスターは現れない。
ナナは警戒を少し解き、洗濯物を取り込みに二階へと上がった。




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