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美しき異形達
第二十話 錬金術その十九

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「今のは本気の言葉を」
「ではどうして俺を倒すつもりだ」
「まあね、やり方があるわよ」
「貴様の弓は俺に当たりはしない」
 決して、と言う怪人だった。
「何があろうともな」
「まあこれまでのやり方だとそうね」
「そうだ、絶対にな」
「けれど何事にもね」
 怪人のその絶対にという言葉への反論だった。
「絶対はないから」
「だからか」
「まあ来てみればわかるわ」
 不敵な笑みでの言葉だった。
「あんたがね」
「待つのか」
「来ないのならこっちから仕掛けるけれど」
「待つのは俺の主義じゃない」
 怪人はその目をギラギラと輝かせて言った。
「だからな」
「来てくれるのね」
「覚悟を変えることだな」
 向日葵のその覚悟をというのだ、そうして。
 怪人はまた突進に入った、だが。
 向日葵はその怪人にではなく前にだった、弓矢を放った。しかしそれは怪人自身にではなくその足元、彼から見てかなり前のそこにだ。 
 するとそこにだ、光の柱が起こった。しかも。 
 向日葵はその矢を何本も続けて放ちだ、怪人の前に彼から見て正面に縦に幾列も光の柱を出させた。その柱達に。
 怪人はそのまま突っ込んだ、力の中にだ。
 そうしてダメージを受けた、光の柱の中に飛び込み。
 そのうえで向日葵に突っ込む、勢いは弱まっていない。
 しかしそれでもだった、ダメージは受けているのは間違いなかった。
 向日葵はそのうえで怪人の突進を右に動いてかわしてだ、怪人が突進を終え動きを止め振り返る瞬間にだ。
 また弓矢を放ちだ、その胸を貫き。
 何度も矢を放った、それでだった。
 怪人に止めを刺した、すると。
 怪人の背にアリオトの符号が出た、オレンジの光のそれが。向日葵はその符号を見て微笑んでこう言った。
「勝ったわね」
「貴様の覚悟の通りな」
「ええ、そうね」
「そうした戦い方があったか」
「突進してもね」
 それでもだと言う向日葵だった、怪人に対して。
「ずっと突き進めないでしょ」
「だから止めとしてか」
「そう、突進が終わってね」
「俺が振り向いたその時にか」
「これでもかって射ったのよ」
 その光の矢をというのだ。
「そうしたのよ」
「そうか、そして」
「あんたが突っ込む時にね」
「光の柱を出してだな」
「そう、あんたの突進コースはわかってたから」
 だからだというのだ。
「そこに柱を出したのよ」
「俺がその中を突っ込むからか」
「避けられなかったでしょ」
 避けようと思っても、というのだ。
「勢いがつき過ぎていて」
「その通りだ」
「そうよね、しかもね」
「かわし方もか」
「跳ぶよりもね」
 これまでの様にだ。
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