暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と伊予のカワウソ
第七幕その九
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「絶対に頂きます」
「お茶もお菓子もですね」
「そうしています」
「この三時のティーセットがなければ」
「どうにもしっくりいかないですね」
「この松山にいても」
 どうしてもと言うのでした、老紳士にしても。
「これは外せません」
「とてもですね」
「しかもです」
「しかもとは」
「日本のお茶はです」
 それはどうかといいますと。
「お水がいいせいか美味しいですね」
「そうですね、それは確かに」
「私の目に狂いはありませんでした」
「日本のお水はいいですね」
「はい、質がよく」
 しかもというのです。
「量も豊富で」
「貴方達にとってはですね」
「最高の場所です」
 カワウソさん達にとってはというのです。
「やはりずっといたい場所です」
「そう思われますね」
「お茶を飲んでいるとあらためて思います」
「それでは」
「はい、ではどうぞ」
 その日本のお水で淹れたお茶をというのです。
「三時はこれです」
「そうさせて頂きます」
 先生はお屋敷でもでした、三時にはティータイムを楽しむことが出来ました。そうしてそのお茶を楽しんだ後で。
 お屋敷を後にしました、門番の人にお屋敷の門から玄関まで案内してもらってです。そこで門番さんにこう言われました。
「もう僕達のことはご存知ですね」
「はい」 
 先生は門番さんににこりと笑って答えました。
「カワウソさん達ですね」
「イギリスから来ました」
「実は狸さん達に言われて来ました」
「そうですか、しかし僕もです」
 今度は門番さんが不安そうなお顔で言うのでした。
「狸さん達がどんな人達か知らないので」
「怖いのですね」
「知らないとどうしても怖いですね」
「はい、どの様な方でも」
「ですから」
 それで、というのでした。
「狸さん達は怖いです」
「そうですね、しかし」
「解決案を旦那様とお話されたのですね」
「そうなりました、ですから」
「何とかなりますか」
「貴方達は悪い人達ではないですから」
 カワウソさん達のことからお話するのでした。
「それに狸さん達も」
「あの人達は悪い人達ではないのですか」
「はい、ですから」
 それでだというのです。
「きっと上手いきます」
「そうなればいいですね、では」
「はい、それではですね」
「このままずっと松山にいられることを祈ります」 
 門番さんは切実な声で言いました。
「日本にも」
「貴方も日本がお好きなのですね」
「いい国だと思います」
 門番さんは先生の問いに明るい笑顔で答えました。
「景色は綺麗で食べものは美味しいですし」
「暮らしやすい国ですね」
「しかも水はとても綺麗で凄く沢山あって」
「そうしたことから見ても」
「いい国です」
 
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ