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ゾンビの世界は意外に余裕だった
6話、再会
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帯に居る俺は、斎藤君の友達について語る資格がないと思ったのである。

「高橋さんとの出会いを知りたいな」
「僕達は食糧がありましたので別荘にひきこもっていたのですが、高橋さんが武器を持った部下を率いて進入してきたのです。あの時は本当に驚きました」

 武器ね。

「でも、すぐに無人だと思って物資の調達に着たって分かり安心できました。高橋さん達が自分たちも別荘組と分かって打ち解けたところで、生き残るために仲間にならないかと誘ってくれたのです」

「戦い方を覚えたのかね」
「ええ、少しは……その、このことはあまり話せません」 

 どうやら口止めされているようだ。

「いや、こちらもつい何でも聞いてしまいすまない」 
「いえ、お互いさまです。こちらのことを内緒にできずにすみません」

 本館の方から車のエンジン音が響いてきた。運転席を見ると、キャリーの妹分のレイアが女子高生ルックで車を運転している。若干頭が痛くなるが、まあ、筋肉もりもりのアンドロイドとかよりは、柔らいイメージを与えると信じよう。

 ちょうど高橋さんと慶太の会話も終わったようだ。レイアを紹介して食糧を見せた。

「こんなに……ありがとうございます」
「正門をあけますから、地面に置いてある武器をお持ちください。若手が食糧の載せかえを手伝います」

 俺は慶太とレグロンに荷物を運ぶのを手伝わせた。

「一つだけ聞いてもよろしいでしょうか」

 食糧の積み込みを終えると、高橋さんが近づいてきた。

「構いませんが、ここは国の研究所であり答えられることは限られていますよ」
「分かっています。お聞きしたいのは医者のことです。ひょっとしてこちらに居ないかと思いまして……」

「……高橋さんは素晴らしいリーダーみたいですね。医者はいます」
「あの、三人だけです。何とか診察して頂くわけにはいかないでしょうか」

「往診するのも招くのも大きなリスクです」
「分かっております。無理は重々承知しています」

 一瞬、別荘の様子を偵察するために往診させようかと思ったが、結局武器の少なさを考慮してここで診察することにした。

「仕方ありませんね。明日正門に連れてきて下さい。診察するように伝えましょう」

「斉藤さん助かります」

 来訪者達は去った。

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