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アラガミになった訳だが……どうしよう
夫になった訳だが……どうしよう?
44話
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るよう博士に言われて……あれ?これはなんですか?」
カノンはサカキの机の上に置かれていた書類を手に取って眺めているのだが、彼女の背中に不穏な空気が漂い始めた。なんだろう、今すぐここから逃げるべきだと直感が告げている。
「じゃあ、俺は部屋に帰「マキナさん?」……はい、なんでしょう? 」
「これはどういうことですか?」
先程までサカキの机の前に立っていた筈のカノンはいつの間にか、ドアの前にいた俺の背後に眼だけが笑っていない笑顔で俺の肩の手を置いた。
彼女がもう片方の手に持っていたのは俺とイザナミの戸籍の届けのようで、そこには夫婦という事で登録されている。
その方が手続き的にも楽であり、事実としてそうなのだから俺も別段何か言うことがなかったがこう堂々と書かれると小恥ずかしいものがあるな。
「どういう事と言われても、いい加減俺も戸籍を作った方がいいと思ってな。今までフェンリルに所属するゴッドイーターって事でしか登録してなかったから、そろそろ普通の戸籍があった方がいいだろ?」
「いえいえ、そこじゃなくてですねーこのイザナミさんとの関係が夫婦ってどういうことでしょうか、という話なんですよ?」
なんでそんなに声が平坦なんだ?
「いや、見たまんまだが?」
「ははは、分かりました。マキナさん、演習場に行きましょう」
「えっ?ちょ、ちょっとなんで?」
「いえいえ、なんて事はない八つ当たりですよ?」
……一体俺が何をしたと言うんだ?
その日の訓練は本当に危なかった……まさか腕一本吹き飛ばされるとは思わなかったぞ。


命からがら演習場から這い出した俺はボロボロの体を修復し始める。……流石に吹き飛んだ腕は治すのが大変だな、傷口がズタズタでそのままくっつける訳にもいかんからな。
そんな俺をカノンは横に座って、俺に問いかけた。
「あの、マキナさん……怒らないんですか?」
「ん?何をだ?」
「だって、これってただの八つ当たりですし、そんな傷を負わせちゃいましたし……」
やっと落ち着いたらしいな。どうにもさっきのは癇癪のようなものだったようだ。
「あー……随分勝手な言い方かもしれんがカノン、お前のことは家族みたいなものだと思ってるから大抵の事は許せるんだ」
「それは凄く嬉しいんですけど……マキナさんの中での私の扱いってどんなのですか?」
カノンか……そうだな、年下であり大事だと思えてかつ女性となると。
「娘か妹、その辺りだな。うん、お前が赤ん坊の頃から見ていた俺としてはお前の成長を実感せざるを得ないぞ?」
「成る程……それじゃあ最初から無理だったんですね」
「無理?何が?」
「いえいえ、ただ……少し悔しいなって思っただけです」
そう言ってカノンは立ち上がってゆっくりと前に進み、出口のドアに手を掛けた時に思
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