暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第六話
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一髪攻撃は避けたものの、巨剣は大地に突き刺さり、《央都》の白い街路に大きな傷跡を残した。

「……どうした?さっきから様子がおかしいぞ」
「黙れ……近いんだ……感じるんだ……」

 そうしてまた、ぶつぶつと不気味に呟き始めるシャノン。

「悪い」
「お待たせしました」

 そうこうしているうちに、商店街へ消耗品などの買い出しに出ていたラーヴェイとハクナが戻ってくる。

 この世界に置いて、HPやMPというのは不可視パラメーターだ。だが、完全に存在しないというわけではないらしく、ヒールクリスタルやマナクリスタルなどは存在する。まぁ、実際のところはほとんど使用する場面もない、というか使っている暇がないので、お守りのようなものとなってしまうのだが、あるのとないのとでは安心感が違う。そう言った所では、SAOやALOでの戦いと同じだった。

 均等に分配が終わったところで、リーダー格のラーヴェイが話し始める。

「さて、いよいよ《白亜宮》へと乗り込むわけだが――――」
「僕らは先に行かせてもらう」
「……シャノン?」
 
 真っ先に口を出したのはシャノンだった。相変わらず険しく歪めた顔で言った。

「近いんだ……今この瞬間も感じる。早くいかなくちゃ……」
「……分かった。気をつけろ」

 ラーヴェイが許可を出した、その瞬間。カッ!!とシャノンは両目を見開いて、狂気的な笑みを浮かべる。
 
「刹那ぁぁぁッ!!行くぞぉぉぉぉッ!!」
「はい、お兄様」

 暴走状態にある兄とは対照的に、ほとんど機械のように平坦な口調で答える刹那。だが二人は驚異的なスピードで凱旋門を潜ると、《白亜宮》の入口にあたる、現在は無人……というより無()の《六王の神殿》へと向かって行った。

「……俺達はゆっくり進もう。何があったのか知らないが……焦りは禁物だ」
「「了解」」

 ラーヴェイの指示に頷く面々。

 コハクは、既に姿が見えなくなった天宮兄弟が、走り去っていった方向を見つめる。シャノンは確かに狂気的なところはあったが、あのように異様に苛烈な性格ではなかったような気がする。刹那もだ。もともと兄に対する信頼はただの兄妹を超えていたように思うが、それでも機械的に兄に賛同する少女ではなかった。時には彼をいさめる突込み役にも回っていたはずだ。だが、今ではシャノンが何を命令しても従順に従いそうな気配がある。

 つまり、この先に在る《ナニカ》が、シャノンを苛烈に、刹那を機械のように従順に変えてしまったのだ。

 一体、何が待っているのか――――コハクは、得体のしれない不安に身を震わせた。



 ***



「がぁぁぁっ!?」

 凄まじい激痛が、切り裂かれた胸に走る。距離をとろうと大地を蹴
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