第14話 モンモランシーの不調
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俺は、隣の席についているモンモランシーが、目のことで固まっていたので若干気にかかったが、今は平静さをよそおっているようだ。
授業は火の授業ということで、教師はコルベールだが、なにやらおかしなものを持ち込んでいる。火の魔法を使って、ヘビのおもちゃをださせる、初歩的なピストン装置のようだ。コルベールがその発展として、自動車の原理っぽい話や、海の上にある船の横に水車をつけて走らせるというアイデアを披露したところ、サイトがそれを見聞きして『エンジン』とかさけんでいたが、さっきのモンモランシーへの影響について、ルイズがきちんと話ができていないか、サイトの頭がついていっていないのか、それとも両方か。
コルベールは、それが実現しているとサイトが言う言葉に魅せられたのか、サイトの出身をきこうとして、かわりにルイズが『東方』と答えている。まあ、それだけでサイトが『東方』の出身者じゃないって、言っているような気もするがな。
しかし、コルベールも独力でこれをつくったとしたら、たいしたものだ。下地となる基礎があってこそ、こういう応用研究になっていくはずなのに、ここまでだけで、どれくらいの時間がかかっているのだろうか。それとも他の異端な研究者とのつながりで、過去に開発された類似の機械を、改良したのだろうか。まあ、俺が同じものをつくれと言われても、覚えていないから作れないだろうし、作る気もそれほどおこらない。魔法装置を改良すれば類似のことはできるから、最終的にどっちがより高馬力をだせるかは不明だなぁ。
サイトやルイズとコルベールの問答のあとは、誰かやってみないかということだが、誰も気乗りなしだ。俺はやってもいいかなと思うが、生徒じゃないから、やめておくことにする。風の授業の時には、なんとなく余計な口をはさんだような気がするからなぁ。
コルベールの熱弁むなしく、誰も手をあげないので、他の生徒におこなわせていたが、生徒たちはおもしろくなさそうだ。自動化までされたら、おもちゃとしては売れるかもしれないが、まだ、その程度だろう。
他の授業も無事に終えたが、今日のモンモランシーは昼食をとる量も少なかったし、その時の口数が少ないのも気にかかる。授業の終わりの部屋へ送るのはいつもの通りに部屋の中まで入ったので、
「モンモランシー。もしかして、今朝の目の話のことが気にかかっているのかい?」
「……」
だまっているってことは、そうだろう。俺が使い魔になってから、プライドが高いところで、色々なことに対処していた精神的な負荷が、対処しきれなくなったのだろう。いわゆる気疲れだが、数日あまり続くようなら、精神的に危ないな。
「とりあえず、明日も気にかかるようなら、言ってくれるかな。精神の疲れをとる魔法薬なら、そういうのも気にならなくなるし、先生に診てほ
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