後始末
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
ヨルムンガンドを倒したシオンは今、エリーシャに支えてもらいながらヨルムンガンドの亡骸を見つめる。
光となって消えていくヨルムンガンドを見ながらエリーシャは呟いた。
「終わったんだね・・・」
「ああ、今のところはな・・・」
「それってどういう・・・?」
「お、おいシオン!」
キリトが慌ててシオンに声をかける。その時シオンは自身の身体が透けているのに気がつく。
「ああ、コレか。やっぱり少し無茶しすぎたかな・・・」
「それって・・・」
「彼のアバターは間もなく消滅するということだ」
ヒースクリフはキリトに向かってそう言った。
「消滅って、シオンくん消えちゃうの!?」
「安心しろアスナ。正確にはアバターがリセットされるってことだよ」
「リセット・・・」
つまり、彼が今まで積み上げてきた力が無くなってしまうというわけだ。その事実にキリトたちは理解できなかった。
「そんなどうして!?」
「それは彼が今の今まで相当の無茶をしたからだ」
「本人は少しと言っているがな」とヒースクリフは付け足す。
無理もない、彼はこの戦いで、いや、それよりも前のエリーシャを助け出す時から相当の無茶と負荷をかけてきた。
それを何度も繰り返すことで彼のアバターは徐々に崩壊していった。
そして遂にそれが限界を超えたのだ。
「シオン・・・」
「大丈夫だって、死ぬ訳じゃないんだから」
「でも・・・」
「エリー・・・」
シオンはエリーシャを優しく抱き締める。
「俺は、後悔してない。お前たちをこの手で守れただけでも、ツバキたちに顔向け出来るってもんだ・・・」
「・・・・・」
「だからエリー、今回は少しだけ待っててくれ。必ず迎えに行くから・・・」
「・・・うん、待ってる」
シオンの言葉にエリーシャは一言だけ答える。
エリーシャから離れると、シオンは最後にキリトに言った。
「それじゃあキリト、後のことは任せた!!」
「・・・ああ、任せろ!」
それを最後にシオンは光と共に消えた───
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「・・・・・」
眼を開けると、そこは配線が入り乱れるコンテナの中だった。俺はその中の中心に置いてある手術台のようなベッドにいた。
「お疲れ様、雪羅」
コンテナの端でパソコンを弄る俺の母、高嶺沙織は俺のバイタルを見ながらそう言った。
「どうだった?って、その顔はやったみたいね」
「ああ、なんとか倒せたよ。アバターの記録はぶっとんだけど・・・」
「そう、貴方が無事ならそれでいいわ・・・」
母さんはパソコン
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ