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相州戦神館學園 八命陣×新世界より  邯鄲の世界より
第7話 四四八の怒り、神栖66町との対決
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者が必要なの。この町の今の「手段」では未来は決して明るくはない」

 朝比奈富子の語る歴史の中には「悪鬼」、「業魔」という特殊な呪力使いを出さないように町では徹底してその芽となりうる子供
を「間引き」しているのだ。過去に神栖66町で起きた大量虐殺、異常現象などの原因は「悪鬼」、「業魔」が原因なのだ。

 それらが生まれる原因は様々ではあるが、町としては生き残る為にこの手段を取り続けているらしい。

 それこそ長年に渡る歳月を危険分子を排除することに費やしながら。

 「そうですか、町の未来を憂う気持ちは分かります。ですがかつての人間達であるバケネズミはどうなるのですか? あのような姿でも
元は人間。旧人類の末裔だからといってなぜあのような惨い仕打ちを?」

 四四八の問いかけに富子は僅かに微笑した後に言った。

 「バケネズミは我々新人類、呪力者の為の道具です。彼等は先祖の罪の烙印を押されたいわば罪人。そんな罪人、いやケダモノの姿に
変えられていることに文句を言われる筋合いはないわね。こう見えても長年良好な関係を保ってきたの。でも先日の塩屋虻系列の起こした反乱
でその良好な関係を彼等は踏み躙った。私達との関係を裏切った畜生共には報いを与えて当然でしょう?」

 四四八は驚愕した。町の未来、ひいては人類の未来を憂うように見えて、その実かつての人類であるバケネズミのことなど考えもしていない。

 「バケネズミは私達を神と敬っているけど、その神に歯向かえばどうなるかは彼等も知っているでしょう。これまでも少しでも町に不満を持つ
コロニーは消してきたわ。町の利益にならない、従わないバケネズミは存在しているだけで迷惑でしょうからね。彼等は私達に従ってさえいれば
いいのよ。それだけに反乱を起こした塩屋虻コロニーは許せないわ。私達との良好な関係を壊した報いは受けてもらうのは当然じゃない?」

 臆面もなくバケネズミの価値など道具程度としか認めていない朝比奈富子の態度に四四八は自分の内側に怒りの炎が燃え上がるのを感じた。

 「けどさ! 元は人間だろ!? 知能だって人間と大差ないんだろ!? 何でそんな奴等をゴミみたいに扱うんだよ!!」

 「甘いわね。同じ人間だから対等に扱った歴史などないわよ。大体彼等が呪力をもっていないじゃない。歴史の流れを見れば我々呪力者が
今この地上に君臨しているのよ。同じ人間だとしても、差別的に扱う例なら過去の歴史を見れば幾らでもあるじゃない。それにこれは争いの終止符を打つ為に
した措置なの。呪力者と非呪力者が殺しあう未来にしない為のね。そんな歴史はバケネズミ達は知らないでしょうけど、反乱を起こされたこちら
からすれば平和に対する裏切り行為でしかないわ」

 富子の姿勢に怒りを感じたの
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