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相州戦神館學園 八命陣×新世界より 邯鄲の世界より
第5話 スクィーラの涙、戦いの時
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こうしてコミュニケーションを取ってる存在を人間じゃないから邪険に扱うのはこの学校の理念に反するしね」
世良は他の五人に遅れるようにして、スクィーラに近づいてくる。
スクィーラは自分の瞳から熱い液体が流れ出してくるのを感じた。その液体は限りなく熱く、火傷をしてしまいそうな程にまでに煮えたぎっているような気がした。
「わ、私のような存在を……、た、対等に扱う……? う、嘘だ、嘘だと言って……言ってくれ……!」
溢れ出してくる感情を抑えることがスクィーラにはできなかった。
「だ、駄目だ……! 私の本当の姿を見れば……! 唯の醜い化け物としか映らない……!」
そう、皆がこのような言葉を掛けるのは今の自分が偽りの姿だからだ……。一皮向けば醜悪なバケネズミとしての本来の姿がある。
どんなに言葉で取り繕っても、本能が、理性が本当の自分を拒絶してしまう。所詮自分は人間とは違う姿なのだ。
誰がこんな醜い自分を受け入れてくれよう? 怪物に改造された祖先が受けた罪人の烙印のようなものだ。この呪われた姿は
普通の人間からはかけ離れすぎている。
「本当の……! 本当の姿など見せたくない! 貴方達も私を醜いケダモノとしか見ないだろう! この姿は偽りのものに過ぎない! 私が真実を見せれば……!!」
「塩屋……。誓うぞ、俺達はお前のどんな姿だろうが受け入れてやる!!」
それは真摯で、勤勉で、文武両道、仁義八行を体現する柊四四八の嘘偽りのない力強い言葉だった。
「栄光がお前の正体に気づいてから一ヶ月間、お前の本当の姿を受け入れるかどうかを俺達は議論したんだ。実を言えばお前の本当の姿については俺と
栄光にはもう気付いてるんだ。だがお前が自分の意思で自分の本当の姿を見せなければ何の意味もない」
「夜中にこっそり寮にある塩屋くんの部屋に行った時に塩屋君が言っていた言葉だけどね、「自分は受け入れて貰えるわけがない」って言っていたよ。立ち聞きは
悪いんだけど、放課後の教室で一人で泣いてる塩屋くんが気になったんだ」
そう、五ヶ月もの間を一緒に過ごせば自分の持つ秘密が漏れるのは当たり前だ。この七人はスクィーラの持つ苦しみ、孤独を共に生活してきた五ヶ月間の間に感じていたのだ。
「塩屋、お前は胸を張って本当の姿を曝け出してみろ。姿形を云々言うのは俺達の、千信館(トラスト)の考えじゃない。お前は欲しかったんじゃないのか? 仲間を、自分を
受け入れてくれる存在を」
四四八の言葉がスクィーラの胸に突き刺さる。
「柊さん……」
そしてスクィーラは意を決して偽りの肉体から、真実の肉体に切り替える。虚飾の殻に閉じこもっていては何も始まらないのだ。そんなことも気付けなかった
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