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少年は魔人になるようです
第92話 少年達は黒幕とお話をするようです
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込んだ、千雨が出したパソコンらしきものの傍に鼠の様なものが数体浮いている。

「何コレ何コレ〜!」と騒ぎ出したまき絵を後でな、と制して視線を画面に戻す。


「だが奴は信用できない。今だって周りの観光客を人質に取られてるようなもんだしな。」

「どんな条件出されても絶対受けるべきじゃないねぇ。本屋ちゃんが居ればあの作戦を実行出来たん

だけど……そこまで甘くないか。」

「チッ、今は様子見か………。」


歯を食いしばった千雨達だが、同時に屋根の上から三人を狙っていた影に気付いたのは松永だけだった。

フェイトの命令で出来る限り足止めせよと命じられていた調・焔・暦だったが、予想外のイレギュラーに

止む無く待機を選び、松永の出方を見る事にした。転じ、落ち着いたネギ達――


「さて……ネギ君。大を救う為に小を切り捨てる。この決断が出来ない者にリーダーの資格は無いね。

全てを救おうとして全てを台無しにしてしまうだろう。それが出来るのは、真に力を持つ者だけだよ。」

「明日菜さんは小さいモノなんかじゃない!お前らなら全てを救えると言うのか!?」

「やれやれ、提案を受け入れない相手に語った所で無駄だろう?相変わらず甘い坊ちゃんだ。」


再び話し合いの席に座った筈だが、フェイトはネギを挑発するような物言いしかしない。

まるで、そうなる事を望んでいるかのように。


「坊ちゃんで結構だ。君の喋り方も言っている事も、僕は全て気に食わない。」

「………良いだろう。そんな君、君達に最大譲歩のB案を用意してある。」

「……!?B案……?」


てっきり明日菜をどうしてでも手に入れようとしてくると思っていたネギは、驚きを隠せず聞き返す。

続いて出たフェイトの"B案"に、その場の三人と、それを見ていた千雨達も息を呑む。


「お姫様は諦めよう。君達は僕達の事を無視してくれ。それだけでいい。

それで君達全員を麻帆良学園へ無事に帰してあげるよ。」

「……!!?」

「な……どーゆー事よ!?じゃああんた、私を渡せ的な事言ってたのはなんなのよ!?

最初から私達なんてどうでも良かったって事!?」


その、有り得ない提案にネギ達は言葉も無い。明日菜だけは頭の許容量を超えてしまったのか、とうとう

フェイトに怒鳴る。ネギの時は楽しげな嫌笑みを浮かべたが、今度は無表情のまま話を続ける。


「その通りだよ神楽坂明日菜。頭の回転の鈍い君の為にもう少し分かり易く言い直してあげよう。

ネギ君。君の言う通り、ある側面から見れば確かに僕達の目的は―――」


ネギの頭の中には、『馬鹿な、何だその条件は……』とそればかりが何度も何度も駆け巡る。


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