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少年は魔人になるようです
第92話 少年達は黒幕とお話をするようです
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ローペアーー!優勝候補の一角に圧勝――ッ!!

実力を疑問視する批評家の意見を跳ね退けた形だ!しかも一層強くなっている!これは本物かぁーー!?』


僕と小太郎君は特に打ち合わせする事も無く動き、混種の魔龍族二体をそれぞれ一撃ずつで倒す。

最近の闘技場での戦いはいつもこんな感じだ。周りは盛り上がっているけれど、僕らは既に消化試合でも

やって居る様な気分になっている。

控室に戻る廊下で吠えだした小太郎君を宥めて、いつものローブを被って街に出る。

街は笑い声や賑わう声で溢れていて、多分賭け試合のものだろう怒号が聞こえて来る。

仲睦まじい男女、家族連れ、友達同士――組み合わせは様々だけれど、総じていうなら・・・"平和"だ。


「(これが、父さん達が守った平和・・・なのかな。いや、愁磨さんとラカンさんが言うには

守り損ねた、かな?)」

―――今度はお前が守ってやってくんねぇか?


ラカンさん・・・なんで急に教えてくれる気になったんだろう?しかもタダで。

明日菜さんがこっちの世界の人間・・・考えなかった訳じゃないけれど、信じられない。

愁磨さんやアルさん達だけじゃなく、タカミチや学園長先生・・・皆知ってたのかな?


「"黄昏の姫御子"……皆が守れなかった国のお姫様。父さんと……母さんの忘れ形見。」


"アスナ"さん―――

彼女と過ごして来た日々を思い出す。初登校の時。色んな騒動。図書館島での事。悪魔との戦い。

修学旅行。繰り返した学園祭。ここに来るまでの出来事全部に彼女が居た。

ちょっとおこりんぼうで、乱暴で、お馬鹿だけど・・・いつも強くて、真っ直ぐなカッコいいお姉さん。

そう、僕にとっては、"明日菜"さんだ。


「んーー…よぉし!守るぞ!明日菜さんも、皆も!きっとそれは、あの人達の願いでもあったはずだ!」


そう言っても、僕の最優先はのどかさんなんだけれど。あぁ、早く拳闘大会で優勝して助け出さないと!

それは時間の問題だからまぁ良いとして・・・結局、ラカンさんも父さんの行方は知らないみたいで

つかめなかったけど、それが分かっただけでも―――


ズキンッ
「……!?」


勘としか言えないものが何かに反応して、『闇き夜の型(アクトゥス・ノクティス・エレベアエ)』の印が浮き上がって、

頭痛が走る。何だ今のは・・・!?いや、以前感じた事があるこの嫌な気配。

まさか、馬鹿な。何故今、ここに。頭痛が激しくなる。冷や汗が出て、呼吸が早くなる。

賑わい、行き交う人達が僅かに切れたそこに居たのは―――


「フェイト………アーウェルンクス……!」

「フ……久しぶりだね、ネギ・スプリングフ
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