マクロスF
0732話
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かりに同じ物を取り出してプルタブを開ける。
微かな甘みの冷たい紅茶が喉を通りすぎていく。
この紅茶は麻帆良で買った物だが、それなりに当たりだな。……もっとも、麻帆良の飲み物と言えば、綾瀬が好むような珍妙奇天烈な物も多いんだが。
そんな風に考えてオズマへと視線を向けると、缶紅茶を飲んではいるが、あまり美味そうには見えない。
「初めて飲む種類だが、これもこの世界とは別の世界の物なのか?」
「ああ、通称ネギま世界って場所で売ってる紅茶だよ」
「不味くはないが、俺としてはコーヒーの方が良かったな」
「なるほど、コーヒー派か。フェイトやバルトフェルド辺りとなら話が合うかもしれないな。……で、紅茶の話をしに来たんじゃないだろ? 何があった?」
そんな俺の言葉に、数秒程黙り込んでいたオズマがやがて口を開く。
「グラス大統領の指示でランカの検査をしたんだが、特に異変は見つからなかった。……ただし、どこでそれを聞きつけたのかは知らないが、お前が言っていた補佐官が首を突っ込んできてな」
「……またキノコか」
オズマの言葉に、思わずそう突っ込む。
俺の言葉を聞いたオズマは、一瞬ポカンとしつつも、次の瞬間には苦笑を浮かべる。
「なるほど、キノコか。確かに言い得て妙だな。そう、そのキノコが首を突っ込んできた訳だ。……ランカの調査に関しては秘密裏にやっていたのに、どこからか聞きつけて」
「で、それからどうなったんだ? オズマの様子を見ている限りじゃ、良い事って訳じゃなさそうだけど」
紅茶へと口を付けながら、話の続きを促す。
「グラス大統領は色々と反対したんだが、実際その調査ではランカに特に何も変わったところは見つからなかった。だからこそ三島補佐官に任せるということになったんだが……」
「その口調を見る限りだと」
「ああ。見事にランカに対しての異変が見つかったよ。もっとも、それが本当にバジュラに対して効果があるかどうかは分からないけどな」
異変が見つかった、か。大統領という立場にいる人物が抱えるスタッフでも見つけられなかった異変を、あっさりと見つける。これは恐らく、前々からあのキノコはランカが怪しいと思っていたんだろう。それで密かに情報を探っていた。……そう感じるのは俺の気のせいか?
そんな風に思いつつも、オズマへと視線を向ける。
最初は沈黙していたオズマだったが、やがて観念したのだろう。小さく溜息を吐いて口を開く。
「ランカの歌からは微弱なフォールド波が検出されたそうだ」
「フォールド波? それが検出されるとどうなるんだ?」
「その辺はまだ正確には分からん。だが、それがバジュラに対して何らかの影響を与えていると三島補佐官は考えているらしい。……お前がガリア4から戻って来た時の戦いがあ
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