番外編
番外編5:ある執務官の恋愛事情
第4話
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クレアの口調に真剣さを感じ
フェイトは顔を上げた。
彼女の視線の先にはじっとフェイトの方を見つめるシンクレアの顔があった。
フェイトと目があうとシンクレアは一瞬目を伏せ、再びフェイトの目を見つめると
ゆっくりと口を開いた。
「フェイトさん。 あなたが好きです。 お付き合いしてください」
フェイトはシンクレアの言葉を聞き、数回まばたきをすると
急にクスクスと笑いだした。
フェイトの行動が理解できないシンクレアが茫然と見守る中、
フェイトはひとしきり肩を震わせて笑ったあと、突然笑うのをやめて
椅子から立ち上がった。
彼女は真っ直ぐにシンクレアの顔を見つめる。
「フェイトさん?」
シンクレアはフェイトに声をかけた。
その声は少し掠れていて、両手は固く握りしめられていた。
「・・・ふふっ」
フェイトはシンクレアの顔を見つめたまま小さく笑った。
次の瞬間、フェイトは自分のデスクを飛び越えるとシンクレアに抱きついた。
「のわっ!!」
急に飛びついてきたフェイトの行動に驚き、シンクレアは大きな声を上げた。
そしてフェイトの身体を抱きとめようとするが、勢いがつきすぎていて
シンクレアには支えきれなかった。
ドサッという音のあと、フェイトがシンクレアの上にのしかかるように倒れていた。
「いててて・・・、大丈夫ですか? って、いきなり何するんですか!?」
「ごめんね、シンクレア。 なんだか、我慢できなくって!」
したたかに打ちつけた背中の痛みに顔をしかめたシンクレアが
フェイトにそう尋ねると、フェイトは興奮した様子で話す。
「我慢ってなにを・・・っ!?」
フェイトが何を言っているのか理解できなかったシンクレアが
意味を尋ねようとするがその問いはフェイトの唇によって遮られた。
10秒ほどの口づけのあと、フェイトはゆっくりと顔を離して
改めてシンクレアの顔をじっくりと見つめていた。
「もう、私が何を言いたいか判ったよね?」
潤んだ瞳で彼女が見つめる先にいる男は、照れくさそうに頭を掻いた。
「まあ。 でも、はっきり言葉にして聞かせてくれませんか?」
「ふふっ。 いいよ」
フェイトはニコッと笑ってシンクレアの頬に手を当てた。
「私もシンクレアのこと、好き」
フェイトはそう言うと、目を閉じてもう一度シンクレアに口づけた。
その後、シンクレアとフェイトは部屋の片隅に置かれたソファに並んで座っていた。
「ホントにごめんね。 シンクレアが好きだって言ってくれてうれしくて、
なんだか気が付いたら抱きついちゃってて・・・。
痛くない? 大丈夫?」
「もう大丈夫ですから、あんまり気
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