番外編
番外編5:ある執務官の恋愛事情
第4話
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後
なのはの入院している病室を離れた後、フェイトとはやてはゲオルグに対して
聖王のゆりかごをめぐる戦いのあと、この日に至るまでの間に起きたことや
調査の結果判ったことを話して聞かせた。
そしてゲオルグを病室へと送り、2人は帰路につきかけた。
「しかし、いくらなんでもわんわん泣き過ぎやろ、ゲオルグくん」
「でも、ずっと亡くなったと思ってたお姉さんが生きてたんだって判ったんだし
仕方ないんじゃないかな。 あれで心やさしい人だからね、ゲオルグは」
そんな会話を交わしながら日が落ちて暗くなり始めた廊下を並んで歩いていると、
ふとフェイトは足を止めた。
「どないしたん、フェイトちゃん?」
はやてはフェイトの方を振り返って声をかけた。
彼女の目に映ったフェイトは窓の外の景色をぼんやりと見ていた。
はやてがしばらく待っていると、フェイトははやての方に向き直り
ゆっくりと口を開いた。
「はやて。 私、ちょっとなのはと話したいことがあるんだ。
だから先に帰っててくれないかな?」
「ええけど、話って何?」
はやてがそう尋ねると、フェイトはにっこり笑って首を横に振った。
「内緒だよ。 ちょっとプライベートな話だから」
はやてはフェイトの答えを聞くと数秒間フェイトの顔をじっと見た。
そして、ふいに笑顔を浮かべたかと思うとフェイトに向かって大きく頷いた。
「ほんなら、私は先にアースラに帰るわ」
はやてはそう言うと、フェイトに背を向けて廊下を足早に歩いていった。
フェイトはその背中を見送ると、くるりと向きを変えてなのはの病室へと向かった。
フェイトがなのはの病室の扉をノックすると、中からなのはの声で"どうぞ"と
返事があり、フェイトは扉を開けて入った。
なのははベッドの上から入り口に立つフェイトの方を見ていた。
その手の中には先ほどまで読んでいたであろう本があった。
「あれ、フェイトちゃん? 返ったんだと思ったけど、どうしたの?」
「うん。ちょっとなのはに訊きたいことがあって。 座っていい?」
首を傾げて尋ねるなのはに対して、フェイトはベッドに歩み寄りながら声を掛ける。
そして、ベッドの脇に置かれた椅子に腰を下ろした。
それからしばらく、病室の中は静寂に包まれていた。
「で、フェイトちゃん。 お話って何なの?」
やがて、沈黙に耐えきれなくなったなのはが尋ねると、
フェイトは何度か深呼吸してからなのはの目を真っ直ぐに見て話し始めた
「あのね。 なのはがゲオルグを好きになったのはいつなんだろうって思って。
その話が聞きたいなって思ったんだ」
「ふぇえええっ!?」
フェイトが本題を切りだすと、なのはは目を見開き、頬を赤く染
[8]前話 [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ