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無欠の刃
下忍編
強敵=
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おうとしたカカシは、そのカトナの顔を見て、驚いたように目を見開いた。

 「…もし、何も知らされない私たちが奇襲に気が付かなくて、サクラが、先生が」

 カトナは泣きそうだった。くしゃくしゃに顔を歪め、感情をむき出しになったような、そんな顔で、彼女はなんらかの反論を上げようとしたタズナの胸ぐらをつかみあげ、睨み付ける。

 「サスケが死んだら、どうする、つもりだった」

 フラッシュバック。心臓が、まだ痛い。カトナの視界にうつるあのシーンが脳裏で瞬く。カトナは何かを思い出しかけて、首を振ってそれを否定すると、言った。

 「あんたが死んでなく人がいるのと同時に、忍びが死んでなく人がいることを、忘れるな」

 そういうと、カトナは掴んでいた服を離し、そして言い切る。

「別に、報酬はいらない。この依頼は、受ける」
「カトナ!?」
「だけど、それなら、言って」

 何も感じさせないような、無表情のまま、カトナは言った。

「「助けてくれ」って、言って」

 サスケはその言葉に、何も言わず、苦無と手裏剣を拾い上げ、にやりと笑う。サクラはそんな二人を見て、呆れたように肩をすくめて、震える体を叱咤し、立ち上がる。カカシはカカシで好き勝手したカトナに何も言わず、怒ることもなく笑った。
 タズナは、そんな三人を見比べ、そして自分の前のカトナをみつめ、声を絞り出した。

「…助けてくれ」
「うん、分かった」

 カトナはただうなずいて、脳をがんがんと叩く拳を無視した。

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