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無欠の刃
下忍編
強敵=
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る苦無などを奪いつつ、サクラが幻術を賭ける。
 無事にかかったらしく、がくりと、男の首が舌にうなだれたかと思うと、虚ろな瞳でサクラたちの方を見てくる。
 
「先生、幻術成功したけど、どうしますかー?」
「うーん、そうだなぁ…、とりあえずこっちのも頼みたいんだけど」
「はい、薬」

 紫色の薬は、異様な匂いと雰囲気を放っている。目に痛々しい…というか、目に刺さるようなものすら感じられる。するりと、紙に乗せられたそれを、未だに抵抗していた男に飲ませた瞬間、びくびくと痙攣し、白目をむいたかと思うとそのまま、痙攣し続ける。
 思わず、カカシがカトナを一瞥したが、カトナは全く気にしないまま、きょとりと不思議そうに首をかしげて誤魔化した。と、数秒たった瞬間、いきなり白目が治ったかと思うと、男の黒目の瞳孔が開き切り、ピクリとも動かなくなる。
 何この効能、効き目速すぎだなとか、カカシは色々感じることがあったが、

 (当たらなくて、よかった…)

 この一言だけに尽きた。俺、これに触れなくてよかったと、本気で安心し、同時によくこんな痺れ薬が作れたものだと感心しながらも、ふーっと息を吐いたカカシはタズナを見る。
 きゃいきゃいと、どこか和やかな雰囲気を流しながらの会話に怯えていたタズナは、視線があったことで踏ん切りをついたらしく、カカシに話しかけ、ぼそぼそとだが喋り出す。

 タズナが住む波の国は、ある男―表向きは海運会社を営んでいるが、裏ではギャングや国の乗っ取りなどあくどいことに手を染めている男、ガトーに一年前から狙われているらしい。
 ガトーは波の国を完全に掌握したいらしく、そのためには、他の国との懸け橋になりかねない、タズナが作る橋を邪魔に思い、忍者にタズナの暗殺を依頼した。
 その依頼をしったタズナだが、波の国には金がなく、全財産をかけてもCランクの任務しか頼めない。そのため、本来はBランクやAランクになりかねない任務であることを偽り、依頼した…そういうことらしい。

 「まぁ、あんたらが断ってもいいんだ。それで死んだら、わしの幼い孫が一日中泣くだけじゃしのー。いやぁ、あんたらには全く関係ないんじゃもんなぁ。木の葉の里をわしの娘が、一生怨むだけじゃもんなぁ」

 まったく、面倒くさい任務を引き受けちゃったもんだと思いながら、開き直ったようにこちらに向けて、同情を誘うような言葉を飛ばしてくるタズナに何か言葉を言おうとした時、

 「なに、へらへら、笑ってるの?」

 カトナの厳しい声が、とんだ。
 ぞんざいな、恐ろしく低い、その声を放ち、彼女は立ちあがると、一歩一歩タズナへと足を進める。

 「私達、ほんとに命かけてやってる、それは別に、あなたの為、じゃない。依頼だから、それだけ」

 いいすぎだぞと、言
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