暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
神意の祭典篇
36.暁の帝国
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が銀色の刀を再び、こちらへと向けてくる。

「だから、その刀は洒落にならないんだって!?」

「さ、彩斗君の馬鹿──っ!」

 友妃の叫びとともに、伝説の吸血鬼の悲鳴が響き渡った。




 かつて絃神島と呼ばれた“暁の帝国(ライヒ・デア・モルゲンロート)”の中央にそびえ立つ逆ピラミッド型の建物の屋上。その上で朝陽を受けながら気怠そうに頭を掻いている青年がいた。

「はぁー、暑ぃな」

 朝陽のせいでいつも以上に目が細くなってしまう。

「もうあれから二十年近く経つのか……」

 少し懐かしむように青年は朝陽に照らされ輝く街を見下ろし、不器用な笑みを浮かべる。わずかに唇の隙間から白い牙がのぞいていた。
 そしてその街に起きたいろいろな事件のことを思い出すのだった。。殲教師、黒死皇派、模造天使(エンジェル・フォウ)、監獄結界。
 それでもいまこの街は平和なのだ。
 それは、この夜の帝国(ドミニオン)の真祖がしっかりしているのではなく帝国最高技術顧問のおかげだ。

「まぁ、それはそれであいつらしいか……」

 誰に言うでもなく青年はつぶやきながら立ち上がり、大きく背伸びをする。
 さて!、と気合を入れ直すように大きな声をあげて朝陽に一度睨みつける。

「今日も一日いきますか!」


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