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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
神意の祭典篇
36.暁の帝国
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刀はマジでやばいから!?」
両手を上げて降参するような姿勢になる。“夢幻龍”の刃だけは洒落にならない。その威力を何度もみているぶん向けられただけで背筋が嫌な汗が流れてくる。
「で、そっちの彩斗君の偽物はなんなの?」
再び、銀の刃を偽彩斗へと向ける。
すると彼も両手を上にあげて降参したように慌て出す。
「げっ!? む、“夢幻龍”!? それはさすがにまずいって、友妃!」
するとその言葉に友妃の顔が真っ赤に染まる。
そして彼女は地を蹴り上げ、偽彩斗の静止にも耳を貸さずに、攻撃を仕掛ける。
大気を引き裂いて銀色の刃が、黄金の翼膜を展開する。それは“夢幻龍”の魔力を無力化するときに展開される翼だ。とっさのことで偽彩斗は反応が遅れる。
銀色の刀が一閃し、彼の皮膚をわずかに切り裂く。
異変が起こったのは、その直後だった。
偽彩斗の少年の全身が青白い火花に包まれて、その姿がゆらりと霞む。
それは友妃の“夢幻龍”が魔力を無力化し、偽彩斗の魔術を打ち消したのだ。
彼の姿が、急激に現実感を失って消えていく。
そして眩い稲妻の輝きだけを残して、偽彩斗が消滅する。
彩斗と友妃は、呆然とその光景を見つめるだけだった。
なぜ彼が彩斗の姿に似ていたのか、もはや確かめる術はない。
青白い閃光に包まれて、少年は先ほどまでいた研究室へと帰還した。
「──萌葱、俺の服どこ置いた?」
「そこに置いたあるでしょ。さっさと着替えちゃいなさいよ。あんたの裸なんてみたくないからね」
パソコンに向かってまだ作業をしている制服の上に白衣を着た女子高生。
「うるせぇ!」
偽彩斗となっていた少年は、先ほどまで着ていた服に着替え終えて、めんどくさそうに頭を掻いた。
「あれ、
神斗
(
かみと
)
君も二十年前に行ってたの?」
神斗は聞こえてきた少女の声がしたほうへと振り返るとそこには最近リニューアルされた彩海学園中等部の制服を着ている少女がいた。
「ああ、結構楽しかったぞ。零菜はどんな感じだったんだ?」
「うん、楽しかったよ。わたしと同い年だったころのママもわかったし、それに死ぬ前の、元気だったころのパパにも会って話も出来たしね」
遠くを見るような表情で呟いて、零菜は寂しげに微笑んだ。
萌葱が一瞬、息を詰まらせたように黙り込む。神斗はいつものことだと大きなあくびをする。
「いやいやいやいや、死んでないから。あんたは今朝も古城君と会って普通に話してたでしょ。ていうか、あの
吸血鬼
(
ヒト
)
は殺しても死なないでしょうが」
冗談です、と言いたげに零菜が悪戯っぽく下を出す。
「あの時代の古城か……戦ってみたかったなー」
すると零菜
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