暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
神意の祭典篇
36.暁の帝国
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》ちゃんもすごく可愛いです……! 美人だし若いしスタイルもよくていい匂いがして美人だし……うっ!?」
言い終える前に雪菜はうつむいて、突然激しく咳きこんだ。
「お、おい? どうした!?」
古城は、ふらつく雪菜を慌てて支えた。浅葱たちは息を呑んでそれを見守っている。
雪菜はそのまま弱々しく肩を震わせている。
「すみません。思わず興奮してしまって……」
苦しげな声でそう言い残して、雪菜が校舎裏へと走り出す。ひどく慌てているような態度だ。
「あ、待て! 姫柊……!」
古城は慌てて彼女のあとを追いかけた。
昼休みの渡り廊下に、呆然と立ち尽くす彩斗たちだけが取り残される。
「ゆ……雪菜ちゃん?」
呆気にとられたように呟いたのは凪沙だった。同じく凪沙も放心したように首を振る。
「なんだったの、今の?」
「さあな……」
わけがわからん、というふうに大袈裟に肩をすくめる矢瀬。
「雪菜ちゃん?」
夏音も心配そうに去って行った雪菜を見つめる。
「ねえ、あれって雪菜だったの?」
「いや……」
彩斗は小さく呟いた。
先ほどの雪菜が咳きこんでいたときに彩斗はわずかに見えたのだ。掌に鮮血が広がっていた。さらに彼女の瞳はわずかに真紅に染まっていた。
それは吸血鬼の瞳に酷似していた。
そのときだった。強い魔力を肌が感じとった。
「───ッ!」
それは体育館の方角からだ。
「どうしたの、彩斗君?」
どうやら友妃はなにも感じていないようだ。獅子王機関の“剣帝”が感じないということは気のせいと考えることが妥当なのだろう。しかしこの魔力は感覚に動かずにはいられない。
なぜなら、その魔力が自分自身の魔力のように感じられたからだ。
気づいたときには体育館へと走り出していた。
友妃たちが困惑していたがそれも気にせずに彩斗は先ほどの魔力の正体を調べずにはいられない。しかしもうその魔力は感じられず、先ほどまで確実にそこにあった魔力の残滓を感覚だけを頼りに探る。
体育館の前の着いてすぐ視界に映った光景に目を疑った。
体育館のすぐ手前で倒れている男子生徒。衣服は下着のみしかまとっておらずそれは恐喝されて身ぐるみを剥がされたというようにも見えた。
「おい、大丈夫か!?」
慌てて彩斗が男子生徒に駆け寄る。呼吸を確認するがどうやら気絶しているだけのようだ。そのことに胸を撫で下ろす。
男子生徒の身体には目立った外傷は見当たらない。どうやら一撃で急所をつかれて気絶したようだ。
周囲を見渡すが犯人らしき存在は見当たらない。そもそも彩斗とその男子生徒以外の気配は感じられない。
その瞬間だっ
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