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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
神意の祭典篇
36.暁の帝国
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声を出す。
「え!? 浅葱ちゃん……って、
博士
(
ドク
)
!?」
「はい?」
雪菜にまじまじと凝視されて、浅葱は不思議そうに小さく首を傾げた。
謎の寄行を繰り返す雪菜に彩斗と古城は混乱する。さすがに今日の雪菜は様子がおかしすぎる。しかしその原因がわからない。
「本当に
博士
(
ドク
)
なんですね……今とは全然、イメージが違うけど」
「ひ、姫柊さん? どうしたの……って、ちょっと古城、彩斗、あんたたちなんとかしなさいよ!?」
雪菜の態度に怯えたようにじりじりと後ずさりながら、浅葱が古城に助けを求める。
そう言われてもな、と古城が途方に暮れる。
今は普段の雪菜とはかけ離れている。まるで別人のようだ。
その直後、彩斗たちの背後から少し息がきれたような声が聞こえてくる。
「ゴメンね、笹崎先生を探してきたら遅くなっちゃた。て、なにかあったの?」
わずかに額に汗をにじませている獅子王機関の“剣帝”の少女だ。
彩斗と同い年でありながらも一つか二つくらい幼く見えるてしまう童顔のクラスメイトの逢崎友妃だ。
「あ、ああ。逢崎か……いや……姫柊の様子が……」
雪菜を指差しながら彩斗は微妙な表情を浮かべる。ここまでの彼女の言動を事細かく話していたら日が暮れそうなくらいだ。
するとまたしても雪菜がおかしな言動に出る。
「え!? 逢崎……って、友妃ちゃん!?」
「……友妃ちゃん?」
やはり普段の雪菜とは明らかに違う。普段の彼女なら友妃のことは、友妃さん、と呼ぶはずだ。親しい中にも礼儀ありというのか、高神の杜にいる頃から知り合いでありながら歳上の人には、さんを付けるという礼儀正しい彼女らしい。
だが、今の彼女からはそれが感じられない。
「あ、すみません……友妃さん」
「いや、ボクの呼び方はなんでもいいんだけど……」
友妃もこの時点で違和感を感じ出しているようだ。
「どうしたんですか、彩斗さん?」
学生食堂のほうから柔らかな声がし、彩斗は振り返る。
声の主は中等部の制服の下にハイネックを着ている少女だ。碧い瞳に綺麗な銀色の髪。日本人離れした容姿の中等部の聖女と呼ばれている──叶瀬夏音だ。
「あ、ああ……夏音か……」
説明しようかしまいか彩斗が脳内奮闘している中、雪菜が先に動いたのだ。
「
夏音
(
カノ
)
ちゃん!? やっぱこの頃から綺麗だったんだ!」
雪菜が夏音を至近距離でいろいろな角度から見ている。それに彼女がかなり戸惑っている。
その雪菜が、古城のほうへと勢いよく振り返った。彼女は興奮気味の表情で古城に詰め寄って、早口でまくし立てる。
「ど、どうしましょう、先輩。
博士
(
ドク
)
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