暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
神意の祭典篇
36.暁の帝国
[1/9]
[8]
前話
前書き
[1]
次
最後
[2]
次話
「
萌葱
(
もえぎ
)
ー、
彩音
(
いろね
)
と
零菜
(
れいな
)
知らねぇか?」
黒髪の少年が企業の研究室のような部屋の扉を無造作に開け放つ。
部屋の中には、金属製の魔具が無数に配置され、複雑な魔法陣が造り上げている。その魔具から伸びるケーブルは几帳面に束ねられて、小型のパソコンに接続されていた。
「入るときはノックぐらいしなさいよね」
パソコンの前に座っている制服の上に白衣をまとった少女。端整な顔立ちに、華やかな髪型。普通に美人だが、口元の皮肉っぽい微笑のせいで、色気がない。
「はいはい。悪かった。で、知らねぇか?」
「彩音は見てないわね。零菜ならいまさっき飛んだところよ」
華やかな髪型の女子高生は、パソコンを操作しながら片手間に答える。
「そうか──」
黒髪の少年はなにかを思いついたように不適な笑みを浮かべる。
うわぁー、萌葱と呼ばれた白衣の少女は、嫌な予感がするのだった。
昼休み──
緒河彩斗と暁古城は昼食用のパンを買うために、購買部へと向かっていた。途中、渡り廊下で隣にいた矢瀬基樹が不意に口を開いた。
「お、姫柊ちゃんだ」
矢瀬の視線の先には、階段を下りてくる雪菜の姿があった。誰かを探しているのか周囲を見回しながら、彼女は一人で学食の方向へ向かっている。
「相変わらず綺麗な子だなー……一人だけ住んでる世界が違うっつうか。可愛いし細いし顔ちっちぇえし可愛いし。あとちょっと天然入ってるあたりがなんとも」
その直後。雪菜はいきなりガラス製のドアにぶつかった。
ごん、と鈍く痛々しい音が、聞こえてくる。
「いや、あれは天然入りすぎだろ……なにやってんだ、あいつは」
呆れ顔で呟きながら、古城が雪菜のほうへと駆け寄った。それを見ながら彩斗はまた日常に戻ったんだなと感じるの。つい数日前には、錬金術師の事件で彩斗も古城も死にかけることになった。そのときにはいろいろな人に迷惑もかけることになった。
だから、こんな光景がすごく心地よいのだ。
「はい、問題ありません……このドアって、まだ自動ドアじゃなかったんですね……」
そう言って雪菜は、学生食堂の入り口ドアに恨みがましい視線を向けている。
「まあ、あんま金のない学校だしなあ……」
のんびりと歩いてやっと合流した矢瀬が、古城の代わりに答える。
雪菜はそんな矢瀬を見上げて驚愕する。
「もしかして矢瀬先輩ですか? え、嘘!?」
「なんだよ、今さら。そんな他人行儀な」
矢瀬が苦笑した。
「だ、だって……痩せてますし。それに髪の毛もふさふさ……」
「は!? ちょっと待った。そういう俺の将来が不安になるような発言はやめてくれる
[8]
前話
前書き
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ