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機動6課副部隊長の憂鬱な日々(リメイク版)
第1話
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ゲオルグは首を傾げて目を何度かしばたたかせる。

「別にないですよ」

「そうか。 もういいぞ」

「はあ。 じゃあ、失礼します」

ゲオルグは軽く頭を下げると、部屋を出て行った。
ドアが閉まり、ヨシオカは自分のデスクに軽く腰かけると端末の画面を見つめ
ニヤッと笑う。
そこには1通のメールが表示されていた。
差出人は八神はやて。
題名には、『シュミット3佐の今後について』と記されていた。





翌朝。
自宅での朝食を終えたはやては、自分の所属部隊に出勤するシグナム・ヴィータと
ともに家を出た。
途中で2人と別れ、本局へ行くために転送ポートへ向かう。
本局へと到着すると迷いのない足取りでビルに入り、エレベータに乗り込んだ。
ちょうど出勤時間帯にぶつかり込み合うエレベータの中で、
彼女は刻一刻と変わっていく階数表示をじっと見つめていた。
やがてそれははやてが降りる予定の階数で表示は止まり、エレベータの扉が開く。

「すいません、降ります!」

はやてが大きめの声をあげ、人垣をかき分けるようにしてエレベータを降りると
その直後にエレベータの扉が閉じられる。
普段は少しずれた時間に来るはやてにとって、この通勤ラッシュの混雑は
不慣れなもので、圧迫感から解放されたことで安堵したはやては大きく息を吐く。

そして改めて、エレベータホールの正面にある案内プレートに目を向けた。
そこに目的地である部署を見つけ、案内に従ってはやては通路を歩きだす。
白い壁、白い床、そして白い天井に囲まれた通路を進んでいくと
行く手に頑丈そうな扉が通路をふさいでいるのが見えてくる。
その脇には武装した局員が3人立っていた。

「おはようございます」

はやてが声をかけると、そのうち1人が歩み寄ってくる。

「この先は制限区域です。 ご用件は?」

「捜査部の八神です。情報部のヨシオカ1佐に会いに来ました」

「了解しました。 少々お待ちを」

応対した局員は扉の側まで戻ると端末を操作して訪問予定を確認すると
はやてのそばまで戻ってくる。
そして、姿勢を正すとはやてに向かって敬礼した。

「失礼しました、八神2佐。 訪問予定を確認できましたので
 どうぞお通りください。 中ではこのゲストパスを見える位置に
 身につけておいてください」

「はいはい、どうも」

はやては局員からパスを受け取ると、左胸の辺りにぶら下げて
開かれた扉をくぐり制限区域の中へと入った。

情報セキュリティのための立ち入り制限区域とはいえ、一般区域と
内装が変わるわけでもなく、白色に囲まれた空間を歩いていく。

やがて1枚の扉の前ではやては足を止め、脇にある呼び鈴を鳴らした。
すると、
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