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ゾンビの世界は意外に余裕だった
3話、ファーストコンタクト
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ね。まあ、一週間も経てば事態は落ち着くかもしれながらが、何かあったら相談してくれ。ただし、緊急じゃなければなるべく正門の内側で待っていてほしい」

「ありがとうございます。いざとなったらお願いします」
「それと一つ頼みがある」

「なんでしょうか」
「ここのことはできる限り内緒にしておいてほしい」
「分かりました」

 北原君は何度も頭を下げてから、正門を乗り越えて去った。記念すべきファースト来訪者とのコンタクトはこうして終わった。

 その後、本館に戻った俺はレグロンと約束した戦闘アンドロイド稼働について本気で考え始めた。まず勝手に国の資産に手をつけまくり、国の担当者や裁判所が情状酌量してくれるのは、せいぜい命がかかっている時ぐらいだけだろう。

 そうなると俺がゾンビを一度も見たことないが問題になるかもしれない。例え命の危機を感じたと主張しても聞いてくれないかもしれない。

 だが本当に裁判になったら陪審員の出番だ。九割方はテレビでたくさん見たと言うだけで充分と思える。

 とにかく明日の外界の様子で決めよう。そう思った俺は、臨時所長権限を使ってキャリーの機密情報にアクセスした。そこで他の研究室製作のアンドロイドの情報を抜き取り、必要そうなアンドロイドについて眠くなるまで調べたのである。

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