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相州戦神館學園 八命陣×新世界より  邯鄲の世界より
第2話 絶望の未来、そして新たなる力
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バケネズミは徹底して嫌悪し、蔑視し、支配するのが当然だと思っているのだ。

 歩み寄ることも、同情することも、理解し合うことも、和解することも、助け合うことも、信頼し合うこともない。

 ただひたすらに一方的に支配する者とされる者の関係が五百年も続いた。だがもうよいのではないだろうか? そこまで力を持つのであれば、バケネズミを従える必要などどこにあるのか? バケネズミを支配させることで神の気分に浸りたいだけなのか?

 能力者と非能力者の戦いの歴史から何も変わっていない。非能力者を支配していた暗黒時代の奴隷王朝とどこに違いがあるのか。

 「欲しい、力が欲しい!! もっと強い力が……! あいつらに負けない力が、強さが欲しい!!!!」

 スクィーラは魂を込めた咆哮をした。

 「スクィーラ、お前の意思を確かに見たぞ。俺がお前に新たなる肉体を与える」

 甘粕がそう言うと、スクィーラの身体に異変が生じた。全身の骨が砕け、変形していくような激痛に襲われる。その痛み、苦しみは無限地獄の刑にも
匹敵しうるものだった。

 「ぐぁああ!? がぁ!?」

 これは単なる痛みではなく実際に自分の肉体が変異している。骨格、肌の色、体形のあらゆる面で別の存在に変化している。

 自分の目からは自分の手足が変貌を遂げていくのが分かる。どんな存在になるのか? という疑問がスクィーラの脳裏をよぎる。

 そしてようやく痛みが治まる。そして自分の身体を見たスクィーラは驚愕した。

 「こ! これは……! 人間……!?」

 間違いない、目の前にいる甘粕、神栖66町の人間達と変わらぬ人間の身体そのものだった。

 「これはお前にとっての試練だスクィーラ。真に人間であるという誇りを持つお前が憎む、神栖66町の者達と寸分違わぬ姿形を持つことに耐えられるか? 誇りを持つのであれば、ありのままのバケネズミの姿の自分になるか? この状態からお前はいつでも自分の意思でバケネズミに戻ることが出来るだろう。これから「出会う者達」に誇りを持ってお前の「真実の姿」を曝け出せるのか俺は見てみたい」

 確かに今のバケネズミである姿こそが自分にとっての普通だ。しかし本来の醜い姿をありのままに曝け出せば、当然普通の人間は自分を怪物の類として見るだろう。しかし人間の姿でい続ければ……、普通に接してもらえるのだろう。ケダモノと蔑まれなくなるのだろう。スクィーラは苦悩していた。信頼し合える仲間に出会えても自分の本来の姿を見れば対等な存在だと見做されないのでは? だがバケネズミの姿こそが自分の本来の姿なのだ。この姿だからこそ町の人間に対して立ち向かうことができた。それはスクィーラにとっての誇りだ。自分が憎む連中の皮を被るなど耐えられないことだ。しかし力を手に
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