暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
白銀天魔 振るう力
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の属性と、滅する存在だけ。灰の滅竜魔法の、灰そのものを操るのではなく灰を巻き込んだ風を操るという点が大きくココロちゃんを味方している」

咆哮は放てないが、激昂がある。
吐息や螺旋燼は使えないが、似た別の魔法ならある。
そしてココロは、その魔法の扱い方をよく知っている。
育ての親である灰竜グラウアッシュが、簡単な基礎から応用まで、全てを叩き込んでくれたのだから。

(彼女は決して強くはない…使う魔法が珍しいだけであって、ギルドの中では下から数えた方が早い程度の強さ。本来ならポワに勝てる可能性なんてない)

ポワソンだって、血塗れの欲望(ブラッティデザイア)でギルドマスター直属部隊を務めるほどの実力者だ。
本来なら、元々戦闘が得意な訳ではないココロにここまで手古摺りはしない。
滅竜魔法を奪い、即決着をつける――――――普段のポワソンの戦いを知るシグリットの予想はこうだった。

(だけど……今結果として、ココロちゃん相手にポワは手古摺っている…彼女に、圧倒されている)

本当なら、ココロが自分の中の新たな魔法に気づく訳がなかった。
ポワソンはヒントの1つも与えないし、魔力の質等だけで解るはずもない。マカロフ並みの魔導士なら話は別だろうが、ココロは至って普通の、どこにでもいる訳じゃないけど魔導士ギルドの中ではどこにでもいるような魔導士である。
だからこそ、ポワソンが勝つと思っていた。

(こんな有り得ない状況を作り出すなんて……強運の持ち主かもね、ココロ・アーティリア……)











その状況を作り出せたのは、運ではないのだが。
――――――なんてシグリットに言い返す事は出来ない…というか、シグリットがこの戦いを見ている事すら知らないココロは、驚いたようにこちらを見つめるポワソンを見ていた。

(驚いてるのかな。まあ確かに驚くよね。私だって、まさか1人で誰かと戦う事になるなんて思ってなかったし、ここまで戦えるなんて知らなかったし。知ってたらニルヴァーナの一件の時も皆さんのお荷物にならなかったのに……)

攻撃が得意な訳ではなければ防御が得意な訳でもない。
ウェンディのように治癒魔法を使える訳でもなく、ココロは自分が本当にお荷物だったと認識していた。
攻撃が苦手、という点はウェンディと同じだったが、彼女は治癒魔法で仲間の役に立っていた。それに対しココロは全部中途半端で何も出来なかった。
コブラを倒したのだって結果的にはナツで、魔水晶(ラクリマ)を壊したのもウェンディの力があってこそ。
全て中途半端で、1人では何も出来ない――――――それは、ココロにとっては辛い事だった。

(1人で行動するのが好きな訳じゃないから別にいいんだけど、こういう時に周りに頼ってばかりじゃいられ
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