白銀天魔 振るう力
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」
「天魔の激昂!」
螺旋する灰色の風の一撃。
すると、頬を膨らませたココロの白銀の激昂がそれを掻き消すように放たれ、ポワソンを呑み込む。
風の中から脱出するように飛び出たポワソンは、よろけながらも着地する。
「天魔の神楽!」
「あああああああああっ!」
続けてココロの攻撃が炸裂する。
ポワソンを巻き上げた白銀の風が消えると同時にポワソンは地に落ち、1番痛む左肩を右手で抑えながら、よろよろと起き上がった。
その表情は痛みに歪んでいる。
(何で……魔力の量や戦歴は私の方が上なのに…何で彼女が私を圧倒している?)
考える。
脳の全てを使って考えるが、答えが出ない。
こちらが風を振るえば、ココロは攻撃の動きが解っているかのように大体を避け、喰らったとしてもこちらに手応えがない。
反対にココロが風を振るうと、それは確実にポワソンにダメージを与える。
「格の違いね」
その戦いを魔水晶映像で眺めるシグリットが呟いた。
映るのは驚いたように目を見開くポワソンと、そんな彼女を睨むココロ。
「ポワは確かに強い……けれど、風を操る失われた魔法を使う事には慣れていない。対するココロちゃんは、元が灰の滅竜魔導士…風を操る失われた魔法を基礎から叩き込まれている」
魔力の量や戦歴は、今はただの飾りにしかならない。
魔法を使い慣れている者と使い慣れていない者が戦えば、有利なのは当然使い慣れている方だ。
ポワソンは滅竜魔法を得た。が、その使い方―――――こういう状況でどんな攻撃をするべきか、そこからどう行動すべきかが解っていない。いくら強い力を得ても、使い方が解らなければ無意味だ。
ココロは滅悪魔法を得た。名前すら知らない魔法だが、風を操るという点では灰の滅竜魔法と同じ。滅するモノが変わっただけ。つまり、最大限の基礎能力を持っている。
「いくら戦いに慣れていたとしても、魔法に慣れていなければ意味がない……“使える”のと“使いこなす”のは全くの別物だからね。その点では、ポワよりココロちゃんの方が断然有利」
でも、と。
シグリットは続けて呟く。
「でも、それだけじゃここまで圧倒はされない……何より不利なのは、ココロちゃんがポワの攻撃の全てを知っている事。元々灰の滅竜魔法はココロちゃんの魔法だったから、それは当然なんだけれど……」
その魔法を発動する為の構えを見ただけで、ココロには解る。
放たれた魔法がどういうものかも知っているし、どう避ければいいかだって解っている。
自分の魔法の事を誰よりも知っているのは自分しかいない。
「天空の滅悪魔法と灰の滅竜魔法……違いはそ
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