4話、生き別れ?
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
るかな」
つい、猫なで声が出てしまうのは仕方のないことだろう。
「はい。キャリー様よりデータを得ました」
「では食堂の管理を任せたい。できるだけ食品が長持ちするよう計画して欲しい。それから、必要なものがあればキャリーか俺に伝えてくれ」
努めて事務的に俺は命じた。
「わかりました。別の料理人アンドロイドがいれば効率は上がります」
さすがにそろそろ戦闘アンドロイドを起動させに行きたいと思ったが、かわいいケイラの頼みだ。俺は中島研究室に転がっていた有象無象の料理人アンドロイドを六体ほど稼働させ、ケイラのお世話をするよう命じた。
それにしても料理人アンドロイドケイラの存在感は凄い。中島女史も恐ろしいアンドロイドを作ったもんだ。
……ようやく俺は自分の研究室にやってきた。汎用型S3アンドロイドを改良した戦闘実証実験アンドロイドが並んでいる。
S3シリーズは感情昨日や見た目で最新型に劣るものの、低コストで実証実験に最適な面白みのない機体だ。一応外見は人間で通用するし人工知能も人間並みで、体は強靱な機械とあればそれなりに役立つだろう。
このS3。俺は近距離型、遠距離型に特化させたアンドロイドを作り、レグロン開発に役立ててきた。だがさすがにこの事態では、機体の多少の差に目をつむって全部万能型にプログラムし直すべきだろう。
と思いつつ、俺が真っ先に稼働させたアンドロイドは、レグロンの弟分マイルズだ。マイルズはレグロンの前に開発したアンドロイドで、レグロンより戦闘力が若干劣る。軍の担当者の指示で、マイルズの外見はマッチョな金髪鬼軍曹だ。
俺はマイルズと改S3戦闘アンドロイド六体を稼働させると、レグロンに従って俺を守るよう命じた。
八体のアンドロイドに囲まれて移動するのは、なんとなく仰々しい気がしたが、俺は黙って八木研究室に向かった。
八木研究室にはまだきちんとした人工知能が組まれていない最新戦闘アンドロイドが二体居る。本来は稼働を後回しにすべきアンドロイドなのだが、中央制御人工知能キャリーのアバターに最適ということで、優先度が滅茶苦茶上がった。
俺は八木研究室で黒髪美女と金髪美少女の戦闘用アンドロイドに見とれてしまった。黒髪美女はスーツを着ていて、金髪美少女は何故かセーラー服を着ている。
要人の子女を守るボディーガード用の戦闘アンドロイドなのだが、外見をここまで趣味全開にした開発者には脱帽するしかない。女性型軍用アンドロイドを提案して門前払いを喰らった俺としては、軍警察の担当者を説得しやすいツボをつく手腕にただだ感服するだけだ。
この八木研究員とはいつかじっくり話し合いたいが、アンドロイドの外見はともかく中身は完ぺきからほど遠い。
まあ、だからこそキャリーのアバターにちょうど良いのだろう。自分色に染められなくなっ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ